脳が溶ける。おそらく今年の萌えゲーではナンバー1になるだろう出来。
本作は大量破壊兵器である。
いや、大量破壊兵器が仕込まれているといった方が正確か。
「それ」は脳の奥まで浸透し、人々を狂わせ、やがて脳髄を溶かしてしまう。
その名は、天元ルイ。
ALcotがこの世に解き放った恐るべき魔物である。
魅惑のちっぱい、驚異の上目遣い、必殺の甘え声(CV.車の人)を駆使し、人々を忠実な下僕へと変えてしまう。
恋が何なのか分からないピュアピュアハートなルイ様可愛い。
頭を撫で撫でしようとして届かなくて、「この辺にルイ」ってなるルイ様可愛い。
「余が嫌いなのか…?」と上目遣いうるうる攻撃してくるルイ様可愛い。
大人の階段上りたいルイ様可愛い。
失恋して声をあげて泣くルイ様可愛い。
お母さんにいじられて顔を真っ赤にしちゃうルイ様可愛い。
水着でスーパー妹タイムに突入するルイ様可愛い。
エッチのときは足コキしちゃう小悪魔ルイ様可愛い。
自分を犠牲に皆を街を守ろうとする健気なルイ様可愛い。
ぼくはろりこんですが、としうえのせいじゅんはおねえさんをだいすきになったのははじめてです。
ジーク、ちっぱい!
以上!
…とするのはあんまりなので、他のことも書いていきます。まあ、既に言いたい事の8割くらいは書いたのですが。
本作の構成要素をパーセンテージで表すと、
イチャラブ・萌え60%
コメディ20%
燃え20%
てな感じ。
共通(1~3話)、個別の途中(4~6話)までは基本的にコメディ混じりのイチャラブ展開で進んでいき、個別終盤(7話)で少年マンガ、あるいは日曜朝7:30の戦隊物的な燃え展開が繰り広げられる。
1 イチャラブ・萌え
イチャラブはかなりレベルが高い。ルイ様はじめヒロインたちは皆可愛いし、結構な時間をかけて主人公とヒロインがくっつくのでその過程も楽しめる。付き合い始めてからの場カップルっぷりも悶える。エロゲー(萌えゲー)を数やっていれば、その年でその作品がどれくらいの出来なのかが大体分かるようになるが、個人的には本作は今年の萌えゲー群の中でトップとなるだろうと思うくらいの出来。
2 コメディ
コメディはパロディが多いので、その部分は元ネタを知っているか、あるいはパロディを許容できるかで評価が変わってきそう。しかし、それを抜きにしても、ヒロインたちは皆いいキャラしているし、西園寺とか十兵衛とかサブキャラもいい味出しているので、結構笑えると思う。
頭に留めておくべき点は、エロシーンでもコメディ要素が全開というところ。いや、面白いんだ。「おめぇに出す精液ねえから」とか腹を抱えて笑ったし。だけどね、笑っちゃって安心して抜けねえよ!
3 燃え
ラストの燃え展開に関しては、それぞれのルートで差別化が出来ており、個人的に燃え要素が好きなこともあって、なかなかに楽しめた。ガッツリシリアスってわけでもないので、作品全体から見て浮くことも無かったし、良い結びだったと思う。
ただし、言いたい事が二点ほど。
まず、絢乃ルートに関して。「燃え」というのは、主人公側が死力を尽くして戦うところに発生するものだと思う。相手側がいくら理不尽なことをしてきても、それに対し主人公たちが全力で立ち向かうのであれば、それは燃える展開になる。逆に、死力を尽くしたわけでもない何でもないような主人公側のポカによって窮地に追い込まれるのでは気が削がれてしまう。
バトルとは違うが、スポーツを例に取ってみよう。例えば、サッカーの試合の終了間際で、相手チームがハーフライン付近から超絶鋭いシュートを決めてきてビハインドを背負ったら?(この場合を「理不尽」といってよいかは甚だ疑問であるが。)観ている側としては、「頑張れ!ロスタイムで絶対に追いつけ!」となるであろう。しかし、同じ失点でも、それがキーパーが自軍ゴールにスローしたオウンゴールであったら?おそらく観ている側はシラけてしまうはずだ。
絢乃ルートでは、黒幕キャサリンを追いつめ、主人公側の勝利がほぼ確実になったところで、主人公達がキャサリンにとどめをささず無駄に会話しているうちに、キャサリンがヴァルキリーを操り窮地を招いた。観ている側としては、「いや、とりあえずキャサリンを気絶させるとか何かしろよ!」とツッコミたくなってしまい、その後の展開が一気にシラけてしまった。実際、その後にキャサリンを腹パン一撃で気絶させているので、この事態は簡単に防げたはずである。
例えば、キャサリンを追い詰めた段階で、ヴァルキリーをも凌ぐような強力な敵が出現し、形成が一気に逆転するとか、そういう展開であった方が、多少理不尽かもしれないが、燃え展開としては良かったと思う。敵が強ければ強いほど熱くなるというオマケ効果も付いてくるしね。いずれにせよ、絢乃ルートの最後の展開は、燃え展開としては少々頂けないものであった。
もう一点。これは単なる我儘かもしれないが、あれだけ色々なキャラクターがいるのであれば、全員がぶつかり合う総力戦が見たかった。パワーアップしたドララとねこにゃん、23区の全てのヒーロー、エンジン、ブラック・プリンセス、エリカ、Eプロジェクト、ジャッジメントにグランドノワール、その全てが敵味方に分かれ、統京の未来を賭け刃を交える。そういう最終決戦みたいなルートが一つくらいはあっても良かったのではないか。実現はかなり難しかったかもしれませんがね。
4 総括
燃え要素に若干の不満が無かったわけでなないが、全体的に概ね満足。特に、イチャラブ要素に関しては大満足。先にも述べたが、萌えゲーとしては、今年の作品の中でも一、二を争うものになると思う。
また、結構ボリュームもあるので、時間的な意味から見ても費用対効果は高い。プレイ時間中央値が20時間(2012年9月20日現在)となっているが、実際は共通3~4時間、各個別6~7時間で、全体として30時間くらいはかかると思う。私のプレイ速度が遅かったのかであろうか。まあ、ルイルートは終始悶えていてなかなか進まなかったというのと、エロシーンが面白くて全て見たというのはあるんですけどね。
世界観・雰囲気 13/15
シナリオ 20/25
キャラクター 15/15
サウンド 9/10
グラフィック 9/10
システム 5/5
個人的補正 16/20
総合 87/100