学園青春物の傑作です
率直な感想として非常に面白かったですし、読後感が半端なく良くスッキリとした気分になれましたし、大好きな作品です。学園物の中ではもしかしたら一番好きかも知れないです。ようやく探していた学園物に巡り合えた気がします。
自分は好きなんですけど、エロゲーって本作のような作品が意外と少ない気がするんですよね。設定なりシナリオなりテキストなりがコテコテに凝っていたり狙いすぎている作品ばかりが最近目について。学園物というジャンルの中でいっても、異能設定があったり、わざとらしく笑いを取りに行っていたり、あるいはお前本当に学生かって言いたくなるような完璧超人が主人公であったりする作品が大半で、本作のように学生らしい普通の青春物ってあまり見かけない気がします。普通のことやっても他と差がつけづらいし、つまらなくなりがちですからね。そんな中で本作はそのようなコテコテのものに頼らずに、何処にでもいるような青臭い学生の話をここまで面白く描けているのですから、素晴らしい作品だと思います。
キャラのお気に入り度は、
翠>>>ひなこ>理香子>美沙
翠と理香子の間には越えられない壁がありますね。キャラとしての魅力もそうだし、本作の雰囲気の半分以上は彼女が作っていたと思います。何気に宗介と一番相性がいいのが彼女ではないかとも思いますし。アグミオンの演技も光りました。文句なしの本作MVPです。ひなこはもはや鉄板であるふーりん×幼馴染。もうこれだけで私は大満足。ふーりん幼馴染の「うん」は反則レベル。そーいえば本作はCVも良かったですね。最初は澤田なつさんの先生に若干違和感ありましたが。
シナリオのお気に入り度は
理香子=翠>美沙>>>ひなこ
理香子ルートは文句なしの出来。宗介と理香子をはじめとするキャラの心の動きが非常に丁寧に描かれていました。脇役も光っていて、特に苦手だった母親の株が私の中で一気に上がりました。理香子ルートというよりは桜井家ルートって感じでしたね。翠ルートは個人的には本作の世界観には一番マッチしていた話だったと思います。友達から恋人へと変化する関係の境界線に迷ったり、バカやっていた二人が真剣に将来を見つめ始めたり。これぞ青春って感じでした。ひなこルートだけが他と比べると山場もなく完成度低かったのが残念でした。
等身大の学生を題材としているので青臭いところはあります。そう考えると若干対象年齢が低めなのかなという気はします。しかし、それが気にならないのであれば是非ともお勧めしたい作品です。
世界観・雰囲気 14/15
シナリオ 22/25
キャラクター 13/15
サウンド 10/10
グラフィック 10/10
システム 4/5
個人的補正 18/20
総合 91/100