これからもたくさんたくさん悩み続けるだろう私に、あなたたちに、立ち上がるだけの力を。
今じゃ言葉にすら出来ない恥ずかしい言葉たち。
なかなか、やっぱり言葉にすることには出来なくて、
でも言葉にして伝えてくれるとやっぱりとても嬉しくて、幸せで、生きている喜びを感じられて。
そんな恥ずかしい言葉をたくさん言い合える関係性って素敵ですね。
物語の中の登場人物たちは、とてもすれ違いばかりを繰り返してしまうけれど、
それ以上にお互いを思い合う気持ちは、目に見えないほどに大きくて、
こんな形を得られればどれだけ幸せだろうと、どれだけ辛くても優しい世界だろうと、
羨ましい、眩しすぎる、そう思ってしまうけど、
しかしそれはこの人物たちなりに頑張ってもがいて得た世界で。
大人になればなるほどに、人によってはとても孤独を感じてしまう瞬間だったり、夜だったりと
そんな日々がどうしても増えてしまうこともあるかもしれないけれど、
僕たちが当たり前のようにネットで伝えている呟きであったり、
なんでもないように思っていることに何かしら反応があったりして、
実は孤独だと感じている中でも、確かに繋がりというのはあって、
そういうことから目を背けて、自分だけがと、誰も理解してくれないと、そう思いがちだけど。
少しでも自分から殻を破れば、手を繋ぐことぐらい出来るかもしれない。
言葉は時にそれが暴力になったりもするけれど、その一面だけに負けないでしっかりと生きたい。
家族もそうだけど、遠いようで近い所で私やあなたを見てくれている人はいるのかもしれないよ、と。
この作品はどちらかというと、何度も感動しちゃうような泣きゲーってものではないと思っています。
実際1番の泣きポイントは女の子と十夜の話だったように思うし、それ以降だとグランドでちょっとホロっときたぐらい。
途中で何を同じことを何回も繰り返してるんだ、一体今はいつなんだ、誰の話なんだと、
もやもやが止まらなくなる場面は数多くあると思う。(情報の整理はおいおいやってくれますけどね)
ただ、読み進めるうちに少しだけ背中を押してくれるような、頑張れよって言ってくれるような、
そういうものは感じられたのかなと。登場人物でなら、智仁は結構お気に入り。
どうしても今私たちの目の前にある世界はこんな風に失敗しても、
魔法の力でなんとかなってしまうようなそんな簡単なものではないですが、
立ち上がり続けるからこそ、最後に見える景色というものが変わってくるかもしれない。
楽しいことが待っている輪廻だってあるとは限らないかもしれないし、都合の良い夜だってないけれど、
もう少しぐらい頑張ってみようかなと、最後にそう思うことが出来たので、
この作品に出会えて良かったのかなぁ。
人生としては話にも触れられるような通行人Aのような感じでずっと続いていくんだろうけども、
通行人Aなりにも色々な感想を載せてみたり、誰かの感想を見て共感出来たり、
そんな小さな幸せを積み重ねて得られた先を見てみたい。
内容としてまとめるのは難しい部分もあったので、どちらかというとプレイしてみて感じた思いを述べているだけになってしまいましたが、
少しだけ前向きになれそうな、そんな読了感を感じたいのであれば、
この『さくら、もゆ。』に触れるのも良いのではないでしょうか。