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naicufnocさんの何処へ行くの、あの日の長文感想

ユーザー
naicufnoc
ゲーム
何処へ行くの、あの日
ブランド
MOONSTONE
得点
99
参照数
1364

一言コメント

面白かった。シナリオ、テキスト、雰囲気、ボイス、歌曲、BGM、SE、一枚絵、どれもとても良かった。プレイ後感の満足度は過去最高レベル。シンフォニック=レイン他に次ぐレベル。コンプ後、もう一度プレイしたいと思わせる程。安価でネット配信開始になったし、このサイトのレビューでピピピッと来た人は、是非プレイしてもらいたい。★考察サイト色々見た後、2回目プレイ終了。とてつもなく凄いゲーム。点数を96から99に。1回目ではちんぷんかんぷんだった所が理解できた。2回目プレイ前提なら、名作。と~~~~ってもよかった。文字数が多いのは、最後に考察文があるからです。臆さず挑むがよい。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

1回目プレイ後の感想

悪い点
・主人公。「何処か行けよ、コイツ」と思った。主人公がモテる理由がさっぱり分からん。妹とねーちゃん以外(この二人もそうだが)が主人公に惹かれる事が理解できない。「何故か糞主人公に惹かれる」という正体不明さから、ヒロイン自体の魅力が損われている。数多エロゲをプレイしてきたが、ココまでモテる理由が分からん主人公は稀有。
 コイツの理不尽なモテモテっぷりは「エロゲーの必然」の許容範囲を超えているが、絵麻シナリオでは更にアフターバーナーを全開で焚いてカッ飛んで行く。「絵麻に嫌われる為」と思えればまだ良いのだが、それを裏付ける葛藤も何も無いので単なる「クズ野郎」確定。ていうか、いくらなんでもあのルックスで(絵麻の前では)極度の吃音症の木之下君を絵麻に差し向けるなんて有り得なさすぎる。絵麻もプレイヤーも馬鹿にし過ぎている。
・システム。必要最小限しかない機能に加えて、セーブ6箇所というケチっぷり。
・理解しがたい設定とシナリオ。考察の余地有りすぎ。スパッと解答を用意してくれるゲームの方が好き。説明ゲーと言われようが。
 ・絵麻の能力の由来、マージの効能、アレと千尋の関係等
 ・意味不明な黒猫=豹。必要だろうか。豹モードの目がつぶら過ぎ。
 ・でもまぁ、プレイ後にレビューサイト等巡りするのも楽しいゲーム。
・青井さんの顔の乱れ
・絵馬との初めての性交後~現在の中間の生活も描写して欲しかった。
・絵麻ルートでの7回目以降のエチシーンが無い。絵麻の逆レイプでもいいから入れて欲しかった。
 笑わない妹が初めて笑った遊園地デートを見せられて、絵麻とのエチシーンに期待しないエロゲーマーは訓練されすぎです。単なる盗撮の為のイベントだったとは…。挿入歌まで入れたくせに。


良い点
悪い点以外の全部。
・シナリオとテキスト。プレイ開始当初は、続ける気が頻繁に萎えてしばしば中断した。かなりの長期間プレイ中断期があった。一人クリア後は一気にプレイ。テキストは、表現に味があって良い。
・CG。キャラの表情がいい。エチシーンCGも綺麗。
・BGMとSEと歌曲。BGMと歌曲は言わずもがな。SEも、セミやコオロギの鳴き声とか非常に美しい。簡単に書いてるが、サウンド関連全てとても気に入ってます。
・ボイスもとても良かった。良過ぎて、セリフ(特に絵麻の)を最後まで聴いてからテキスト送りしたせいで、非常にプレイ時間がかかった程。絵麻最高。
・作品全般の雰囲気も良かった。主人公の糞っぷりが雰囲気醸成に一役買ってる感も否めないが、絵麻ルートはやはりやりすぎ。雰囲気いいゲームはプレイ後感良し。付ける点数も良くなっちゃう。

とにかく大満足だった。商業的に成功しなくて路線変更と聞いて、非常に残念。これは救われなかった絵麻の呪いだな。こんな世界消去してしまえ。そしてこのゲームが大ヒットしている世界へ。

絵麻シナリオ追加でリメイクされれば良いのだが、シナリオ構成的に難しそう。違う形ででも絵麻の想いが報われるシナリオが読みたいものだ。
最後に気づいたが、アレだけPOV「妹ゲー」に登録されていてPOV「魅力的な攻略不可キャラクター」への登録が無いのは何でだ?




★2回目プレイ終了後の追記
コレは凄いゲームだわ。2週目プレイに十分堪える良シナリオ伏線だらけゲー。点数も96→99にアップさせて頂きます。今までに無いほどプレイしたことに満足。
ムズ過ぎるので、現時点で考察は諦めました。矛盾だらけだけど、考察したメモをおまけで添付。参考になるかわかりませんが。自分でもごちゃごちゃでわけが分からない。


 以下超ネタバレ。




メモ。
・こっからネタバレ。引き返せ。
・千尋が居る世界は、消される世界。
・ゲームの世界は、異常な力に満ちた世界。絵麻の消滅世界維持の力らしい。
・千尋はアレの仕事(虫食いによる世界消去)の為に、その異常を調べに来た
・千尋が消えるとき、世界の人からも千尋からもその記憶は消える。千尋が消えるときは、世界が消えるときだから。でも、あの夏、世界は残り、千尋の記憶も残り、そして恭介だけは、「殺人」の事実を覚えていた。
 殺人の出来事は、時間から切り離した。恭介のマージの夢がそこで止まるのは、存在しないことになってるから。千尋が世界にもどると、また皆千尋の事を思い出す。
・千尋は死なない。
・サンデーが撃たれたのは、警察犬のような活動の一環
・絵麻の能力は、「可能性のある世界(展開)を覗ける。複数見ることができるが、どれが現実となるかは分からない」と「その可能性だけの世界を維持する力」
 両者は合わせて一つの「本来は直ぐ消えるハズの可能性だけの世界を消させないで観察できる」力だったりして。観察する意欲が無くなると、虫食いに消される?
・大人絵麻は、子供絵麻が見た可能性世界の人間。覗き見した過去を知っているが、時間軸から切り離された殺人部分は、当事者だけど忘れている。
 絵麻ルート、マージの夢の中で忘れさせられたハズの恭介の殺人を覗き見。
 1/9に「私、過去に戻りたいなんて思わない。未来を覗きたいとも思わない」と発言している事から、可能性世界覗き見は、子供時代だけの能力?
・アレが現れたのは、絵麻が持つ世界への執着が弱くなったから。
 絵麻ルートの最後の方の恭介「それで……やっと分かった。あの夏、”アレ”が現れた事」「あいつ……俺との仲が遠くなるような気がして、それが辛かったんだ……」
・5つのルートを順にクリアしていくセーブシステムは、病床の絵麻が世界を覗き見、自分が望まない展開になる→覗き見る気が失われ、他の可能性世界に移動、それまで見ていた世界は虫食いで消滅、を表している?

1/16晩の花火の夜の夢で、再合流する相手は攻略キャラ。てことは、あの夏、既に攻略相手は決まっていた。各ヒロインルートがそれぞれ分岐した世界なら、世界の分岐はあの夏以前。
でも恭介の攻略ルートキャラへの思い入れが子供恭介の行動等に影響を与えているだけかも。

絵馬ルート。
・1/9
恭介による絵麻への木之下君けし掛けに対して
「困ったことにならなければいいけど」
「その時になったら話す。…何も起こらないうちにお兄ちゃんを責めたりしたくないから」
てのは、「困ったことになった」可能性世界を覗いていたから。現実になるかは分からないので、2つ目の台詞が出てくる。
でも、1/10、マージの効能を教えると
「私、過去に戻りたいなんて思わない。未来を覗きたいとも思わない」「そういうのって、卑怯だわ」「そんな事夢見ていたら、人間が駄目になってしまうと思います」
と発言する。絵麻は、未来ではなく未来を含んだ可能性を見ているだけで、未来がどうなるか分からないから、いけしゃあしゃあとこんな事を?

・1/10リストカット
「お兄ちゃんに思ってもらえるなら、私はどんな事でも嬉しいの」「私が目の前で死んだら、お兄ちゃんどうする?」
と発言。「お兄ちゃんに思ってもらえなくなる可能性世界しか覗けなくなった」=「他ヒロインルートの終盤」では、
その時点で絵麻は自殺、それが他ヒロインEND後、始めから再開したときの、絵麻が自殺している、誰かのモノローグ世界? 千尋も存在するから、本当の世界ではない。

・1/22晩
絵麻が、恭介から初めて殺人の記憶を詳細に聞かされる。泣きそうな顔で青ざめる絵麻。
マージの夢の中で覗き見た未来の可能性世界の恭介の殺人と同じだったから → その可能性世界は実際に体験したけど何故か二人して忘れていた(事実は千尋消滅で忘れさせられていた)のだと確信

・1/26 物語の山場
マージの夢が進展を見せなくなり、恭介が過去を変える(殺人の過去を消去する)ことを諦めこの世界を受け入れることを覚悟する。
千尋は、その決意を聞いた途端、「あたしね、近い内にまた転校することになった」「始めから分かっていたんだけどね。長くはこの町に居られないって」「それが……とうとう決まっちゃったって訳」=恭介の諦め宣言か
何故、恭介が世界改変を諦め世界を受け入れる=千尋の転校(世界の消去)=覗き見ている子供絵麻の興味消失?
千尋は、この世界を消したく無かった。千尋は絵麻ルートの終着点を知っており、恭介がマージで過去を変え、新たな可能性世界が開けることに期待した? 可能性世界を覗いて得た思いは本当の絵麻の心に蓄積するから、それによる展開の変化を期待?
千尋は絵麻を好き、絵麻もそんな千尋が好き。でも恭介を堕とす為そんな千尋を殺させている。絵麻が千尋を好きになったのは、易々と殺させてくれて、恭介とのラブラブ肉欲生活の扉を開いてくれたから?
千尋が絵麻を好きなのは、無数の世界を旅し長い付き合いだから、親近感が沸いた為? 千尋はあの夏の記憶だけは忘れていないから、絵麻が覗き見た世界の数だけ、思い出も沢山だから?
千尋は、転校=この世界を消し去って自分も居なくなる事を恭介に告げる。世界を消すのはアレ(=絵麻の諦め)。千尋はそれが何時かはわからないから、時期については曖昧な受け答え。

「あの夏の"虫食い"、今もまた出るようになってるんだ」
「……誰……?」
「お兄ちゃん、誰を好きになったのよ?」
「……別に、誰ともそんな関係になっていないけど。絵麻、どうかしたのか?」
「じゃ、じゃあ、"虫食い"の方が嘘って事?」
「絵麻ちゃん、自分で自分を誤魔化すのには限界があるよ」
「"虫食い"は進んでる。……それもかなり」
「絵麻ちゃんはもしかしたら、期待していたのかもしれないね」
「状況が前に戻ることで」
「一葉ちゃんに智加子ちゃん。……それから桐李ちゃん」
「状況は綺麗さっぱり前に戻る。絵麻ちゃんが望んでいた通りにね」
「けどね、絵麻ちゃん。時間は流れるんだよ」
「そして、人は時の流れと一緒に変わっていくものだから……」
「何だ……じゃあ……誰かを好きになるよりずっと悪いじゃない……」
「私は……諦めが悪いから、だから……口で言われたくらいじゃ諦めきれなくて……」
(可能性世界の)大人絵麻は、虫食いを止める力は無い。虫食い抑止は、多分、世界を覗いている手術前の”本当”の世界の子供絵麻だけの力。
他ヒロインルートを消去した過去を持つ大人絵麻は、兄が誰かを好きになったからまた虫食いが始まった=子供絵麻がこの世界への執着を捨てはじめた、と勘違いした。

実際は、子供絵麻が恭助に語るお話で、病床では見られるハズがない「恭介が転んで水溜りに突っ込んだ」等の出来事を”見ている”事や、
千尋ルートでの「夢を見ているのは、お兄ちゃんなのね」「消える世界の中心に立っているのは、お兄ちゃんだったって事」等の発言や
虫食いを見られるのが恭介だけだったり、虫食いに打ち勝つ炎を恭介だけが出せたり、
千尋の「あの力は恭介くん以外は持っていない」「この世界は絵麻ちゃんの思いで出来ている」
「力の源は絵麻ちゃんだとしても、中心に居たのは違う人だって知ってた?」恭介「誰?」「あたし以外で、”虫食い”に気が付ける人」
発言から推測できるように、子供絵麻は、プレイヤーと同様、恭介視点でこの世界を認識しており(順番にヒロインルートをなぞるセーブシステムからも、このゲームは恭介ではなく子供絵麻視点のゲーム)、
「お兄ちゃん、誰を好きになったのよ?」や1/27の「心はもう向いてないから」発言からマージの効果と同様に恭介の心をある程度モニター出来(乗っ取って操縦は出来ない?)(子供時代恭介の思考/行動に憑依した大人恭介が影響を与えたように、恭介視点で世界を覗いている絵麻が恭介の思考/行動に影響を与えている可能性も)、
絵麻の絶望は、恭介に憑依している子供絵麻が「恭介の心が完全に絵麻を拒絶し、この先もそれが覆ることは有り得ない」と思った事を覚ってしまったからでは?
↑だとすると、千尋ルートでの絵麻の台詞「夢を見ているのは、お兄ちゃんなのね」「消える世界の中心に立っているのは、お兄ちゃんだったって事」てのは、
「絵麻が覗き見できる可能性世界は恭介の選択(ゲーム中の選択肢含む)で分岐する世界に限られる」っていう意味?

でも手術の成否は子供絵麻の気力依存。世界の分岐は、絵麻がどこで覗き見を止めるかにかかってる?
覗き見た世界、邪魔な幼馴染軍団が一家離散や事故死や転校で消滅し、恭介とラブラブ肉欲世界現出 → よっしゃ手術頑張るぞ! → 手術は成功し、物語本編の可能性世界へ分岐する → 結局他の幼馴染に取られて世界消滅 
現実の絵麻は、最後の可能性世界である絵麻ルートまで覗き見て、「結局、恭介とラブラブ肉欲世界は終わり、お兄ちゃんの心は手に入らない…」 → そんな未来なんて要らない → ”本当”の絵麻手術失敗世界へ となるハズだった。
でも、マージで恭介が絵麻に「やっぱりみんなと一緒がいい」と悟らせ、千尋を殺さない可能性世界を創出してしまう → そんな未来もいいな、よっしゃ手術頑張るぞ! → 絵麻ルート終了後のエピローグへ

「何だ……じゃあ……誰かを好きになるよりずっと悪いじゃない……」(女としての絵麻を拒絶しており、絵麻に戻ってくる事は有り得ないから)
「私は……諦めが悪いから、だから……口で言われたくらいじゃ諦めきれなくて……」(6回目のエチシーンを拒絶された時の事。子供絵麻はその時点でもまだ希望を持っていた)の発言に表れている。

(物語冒頭の「あなたは、…」で始まるモノローグ等も、絵麻の覗き見視点。その世界の絵麻は自殺しているけど、その世界を覗いている子供絵麻は、恭介が死なない限り恭介を通し世界を認識できる)

「夢を見ているのは、お兄ちゃんなのね」「消える世界の中心に立っているのは、お兄ちゃんだったって事」=絵麻が覗いている可能性世界は、恭介の行動の可能性(ゲーム中の選択肢から分岐する世界?
恭介は世界を分岐させる(分岐世界を創造する)能力を持っている?


二人で見たマージの夢の中で、千尋を殺させることを止め、千尋に謝罪した絵麻。
「言えなかった言葉。伝えられて良かった。世界が本当である内に。涙のように温かい生を、私が手にしている間に。」は、”本当”の世界の手術前の絵麻の気持ち。


二人で見たマージの夢から、絵麻は覚めず眠り続け、病院前、夕焼け、恭介と千尋
絵麻は、恭介が女としての絵麻を拒絶した世界を捨て、恭介をあの夏の殺人のシーンへと導き、自分はマージで眠り続ける事(それが幸せな夢を見続けられることを信じて)を選んだ。
絵麻が望みを託した最後の可能性世界が虫食いされる。全ての可能性世界が消去され、プレイヤー視点で繰り広げられた絵麻の長い覗き見の旅が終わる。
だけど、記憶は消えても、最後に辿り着いた「やっぱりみんなと一緒がいい」という思いは残った。手術を乗り越える気力を手に入れることが出来た。
「取りこぼした可能性を取り戻すの、なかなか大変だったはずだけど」
「……きっと、少しずつ心の中に蓄積していったんだと思うよ」
「記憶には残らないとしても、感情だとか思いだとかは残るのかもしれないね」

エピローグから、「あの日、残してきた罪」とは、妹に手術を乗り越える為の気力を与えられなかった事。
「キラキラと輝くもの」とは、胸の中に用意した、手術を乗り越えられず死んだ絵麻の居場所。笑っている絵麻が居る、其処。
「あの日、残してきた罪」は消え、「キラキラと輝くもの」は本当の世界で、現実に、恭介の目の前に現れた。

本当の絵麻は、長い覗き見で手術を乗り越える気力を得てしまい、本当になるはずだった世界が、可能性世界になってしまう。
本当の世界での3年に進級した恭介のクラスに転校してきた千尋。本当の世界は消される。
本当の世界では千尋は現れないハズなのに、本当の世界でサンデーと一緒にトモの命を救わせ、勘当、堕天。
一葉と双葉はどうだかわからないが幼馴染軍団存続、楽しいハッピーデイズ。


このゲームは恭介に憑依した絵麻視点での物語で、シナリオを良くする為に「本当は絵麻手術失敗してた」とあるが、本当の本当は結局トゥルーエンドの展開。大人はそこには敢えて触れないもの。


サンデー=アレ疑惑
アレは、色々な形態を取れる。欧米コンプレックスを持つ日本人(恭介たち)に対して、「スティーブンさん」の形をとった。
虫食いを起こしているモノと、幼なじみ軍団が可視だったスティーブンさんは別物。虫食いは恭介にしか見えない。千尋もスティーブンさんも、虫食い本体である「アレ」の部下?
あの夏、川で恭介以外も虫食いを発見。次のマージの夢で、スティーブンさん初登場。トウモロコシを焼く雪枝さんは休日=日曜日。
日曜日、千尋は川に戻りスティーブンさん(恭介以外にも見えた白い虫食い)を見つけ、(何にでも化けられる)スティーブンさんに虫食いの真似をさせた。スティーブンさんは真・虫食いを「ソレ」と呼称し、「虫食いを引き起こす者」の振りをする都合上「ソレを一人称として使っている」と言った(自分が虫食いを「ソレ」と呼称しても、恭介達は勝手にスティーブンさんを虫食い本体と解釈するため、発言にボロが出ない)。
殺人を乗り越えたあの夏の続きでは、既に黒猫の形態をとっている。雪枝さんの腰の虫食いは、スティーブンさんが子供達に見せた現象。その他恭介以外に見える虫食いも全部そう。
そんな事をした理由は、単なるお遊び?子供千尋も、この仲間と一緒の楽しい世界を消させたくなく、絵麻に楽しんでもらおうと、ピンチとヒーロー恭介を演出させようとした?
学園に転校してきた以降は、ずっと千尋と一緒で黒猫形態なので、スティーブンさんは現れない。


倒れるときは、前のめり=死ぬ瞬間まで頑張れ → 私はもう、倒れている=私の未来は、もう詰んでいる(兄と二人きりの世界の分岐は何処にも見えない)? 「おまえはもう、死んでいる」が元ネタとみた。