リメイクのお手本といっていい最高の出来
表題通り、本当に素晴らしいリメイクだった。
キャラクター、シナリオについては全く文句なし。ゲームシステムについては少々残念なところはあったものの概ね満足。
とはいえ、この作品から始めるのは少々厳しいか。せめてランス9をやってからのほうがより楽しめると思う。
･キャラクター
24年前の作品ということもあるが、「個性豊かながらもどこか古めかしいキャラクター達を、芯の部分を変えずに今の時代に合うようアレンジする」
という難事をやり遂げた制作チームには畏敬の念を抱かざるを得ない。
特にヘルマン&魔人勢のアレンジは見事の一言。ランス04はもちろん、集大成である10への期待も大いに高まったと言えるだろう。
・シナリオ
魔人や国家間の関係など、ルドラサウム世界の世界観を大いに広げた作品のリメイクである。満足しないわけがない。
話の展開については「ご都合主義」ととるか「お約束」ととるかは好みの分かれるところであろうが、個人的には大満足だった。
ランス01から始めた人にも、シリーズ古参にも楽しんでもらえるような内容であったと感じる。
･ゲームシステム
ここが減点ポイント。…とはいえこれ以上は望んではいけないとわかってはいるが。
なにせ「レベルこそが正義」の大概メタな世界観である。好きなキャラを使いたくともレベル限界が足りなければどうしてもお荷物になる。
よって終盤になればパーティは終盤参戦の強キャラまみれ。愛着の湧く初期キャラたちが隅に追いやられてしまうことも多々ある。
RPGであるがゆえの欠点であり、避けられない問題なのだろう。
とはいえ戦闘中のキャラクターをスイッチする機能なり戦闘不能時に飛び出すキャラの設定機能などやりようはあったと思うので、次回作に期待したい。
統括すると、繰り返しになるが素晴らしいリメイクだった。魅力的なキャラクターの個性を減じないどころか更に上乗せしてくるところ、このメーカーの力強さを感じる。次回作はオリジナルゲームを作ったあと（ランス10終了も必要条件か？）になるとは思うが、いつまでも期待して待っていようと思う。