(GiveUp) 忠臣蔵を知っている人は絶対にやるべきではない。
あまりに「忠実に忠臣蔵を再現した作品」。
評価を受けている3章までのストーリーに作者独自の解釈がほとんど存在しないのは問題だろう。
忠臣蔵が面白いのであってこのゲームが面白いわけではない。
中島敦先生の『山月記』や『李陵』に代表されるように、歴史を題材とした創作物は作者独自の解釈を入れなければ作者の創作物と名乗るべきではないように思う。
演出においても、せっかく江戸時代の活劇を題材としているのに、間合いや、状況に応じた剣術の変化、型の説明を疎かにしているのもいただけない。
ただ刀をぶつけ合うだけでは剣客同士の勝負もなにもないし、廊下で大立ち回りなど出来る訳がない。
他にも、狂言とはいえ五摂家に名を連ねる近衛家嫡子との縁談を断る(大石家の本家である小山家は近衛家の家来、しかも身分は低い)など、女体化というファンタジー世界ではあるが、あまりに不勉強と言わざるを得ない点が多い。
立ち絵の豊富さ、システム面は素晴らしかったが、それだけである。
この作品がこれだけ評価されていると言うことは、可愛い女の子がいなければ歴史に興味が湧かない層が大勢いるということか、もしくは18禁ゲーム業界が苦しんでいることの表れだろう。
僕としては前者であって欲しい。