もし今が2002年であったとしてもこの作品はやはりベストエロゲ―に選ばれていたと思う(エロゲじゃないけれど)
うたわれるもの無印を超えた、と私は思っています。
話の密度が非常に濃く、プレイしながら一切退屈を感じさせられませんでした。
それどころか翌日忙しいのに何日も寝不足になりながら夢中でプレイしてしまいました。
「これで終わったか・・・?」と思ったところでさらに一捻りしてくる怒涛の展開がおおく、「うたわれるもの」を最高の作品で終わらせようというスタッフの熱気が画面越しに伝わってくるようでした。
〇キャラ
正直言って偽りの仮面の時はほとんどのキャラが嫌いでした。
ハクオロさんのような主人公を期待していたのに、主人公のハクはちゃらんぽらんでめんどくさがりや。もっとかっこいい主人公がよかったとずっと思っていました。
メインヒロインのクオンは保護者保護者うるさいのが鼻について仕方なかった。
ネコネは古い暴力型、ルルティエはいいんだけどテンプレ。
アトゥイは「うひひひひひ」とか言い出すし・・・・・・「なぁなぁこいつやっちゃってええけ?」とか言うヒロイン始めてみました。それ雑魚キャラの台詞だぞ・・・・。そういう新しいキャラを作りたかったのかもしれませんが最新鋭すぎてついていけなかった。
アンジュは、そもそもどこに魅力あるの?
とまぁ誰も好きになれなかったから、偽りの仮面の日常は苦痛でしたし、二人の白皇をプレイする時もハクオロさんとエルルゥがどうなったかだけ分かればいいとあまり期待しないで買いました。
しかし二人の白皇で評価は一変しました!
終った時にはハクとクオンにどっぷり感情移入してしまっていて、逆に「ハクオロさんとエルルゥはもういいから!ハクとクオン!ハクとクオンはどうなるんだ?!!」という感じでしたね。
軽くネタバレになりますが、一番評価が動いたシーンはハクが眠っていたシェルターを前にクオンとハクが語るシーン。
>看病している時、嬉しかった。ときめいた。あの時のことは、今でも忘れない・・・
>だって、失われた歴史の生き証人が目の前に居るんだもの
>でも・・・
>ハクが目覚めた時、それは後悔に変わった・・・・
>あの時のハクは弱弱しくて、とても一人で生きてゆくことが出来そうになかったから。
>何より、この人は一人ぼっちじゃないかってことに、気付いちゃったから。
お前ええええええええええええええええええええええええええええええ。
ハクの看病したり、バイトを世話したりしたのはそんな訳があったのかよおおおおおおおおおお
ただお姉さんさんぶりたいだけ+歴史への興味に恋心が加わっただけかと思ったら、根底にそんな「人間的な優しさ」なんて隠し玉を抱えているとは・・・。
「ハクを探さなきゃ・・・私はハクの保護者なんだもの・・・」の意味がここで初めてわかりました。
クオンは精一杯ハクを一人にしないようにして居たのだと思うととても感動的で・・・・・・しかもネタバレになるから詳しくは言えないのですが、ハクがラスボスに向けた「お前は皆に会わなかった俺だ」って台詞も・・・。このクオンの献身があったからハクは一人じゃなかったんだなって思うと涙が・・・。
他のキャラの評価も軒並みアップしましたね。最終的には不快なキャラは一切いませんでした。
〇曲
アニメのOPEDまで使ってくるとは思いませんでした。
しかも、使い方が最高です!
不安定な神様が流れた場面は無印ファンなら誰でも狂喜乱舞したと思います。
偽りアニメはいまいちなんですが、みていた方がテンションあがるかもしれません。
あと、無印アニメのお別れ会の所と。
――――――――――――ここからプレイ済みの人向け―――――――――――
ほんと名作でしたね。
好きな場面TOP3
・キミガタメは卑怯
・天かける星でマシロ様がもどってくるシーン
・上でも書いたクオンがハクを見つけた場面
・オシュトル母が「あなたは私の息子です」
・不安定な神様が流れて援軍が来た時のトウカの「何故、奪った。希望を、命を。」
・ライコウがシチーリアのために仮面を被るシーン
・マロロの最期
・シチーリアが「信じたものに裏切られる気持ちが知りたいとおっしゃりました」っていってウォシスにビンタするシーン
TOP3じゃ足りませんが名シーンのオンパレードでした。
キミガタメの所はうたわれ無印ともかぶせてきていて、旧作からプレイしてると音楽だけで泣いてしまいました。
最後の木について
女将の話で「タタリが住み着いていた洞窟からタタリが消えていて、かわりに洞窟の中は苔や緑で一杯だって話だよ」といっていたので、あの木はタタリがハクによって木に浄化させられたものと考えて間違いなさそうです。
大きい木と小さい木の二つがあるのでおそらく元は親子のタタリだったのでしょう。
また場所から考えて、そのタタリはハクが最初に出会ったタタリと一致します。
最初に出会ったタタリはゲームでもハクに対して何かを訴えかけようとしていましたが、アニメではさらに顕著でハクを認識したうえで逃げていく描写があります。
つまりハクにゆかりのある人物でしょう。
結論からいうとあの木は、本物のホノカさんとちぃちゃんだと思います。
ハクの様子を見にたまたま近くに行ったところであの騒動に巻き込まれたのでしょう。
帝がずっと追い求めていた二人は案外近くにいたのですが、最期まで会えなかったと思うと可哀相ですね。
ラストについて。
完全なハッピーエンドでは無かったですが、うたわれ無印をやった時に感じたような絶望感はありませんでした。
というのも封印されてもう会えないと思っていたハクオロさんも今回のことでひょっこり帰ってきましたし、また誰かが神の座を変わることがあればハクも帰ってこられるでしょう。
それにハクもマシロ様としてわりと自由気ままに動けてますしね。
うたわれらしい、いい終わり方だったと思います。
しかし、帰ってきたハクオロさんがクオンになんて言われるのか気になります。ただでさえ今回だいぶ無能だったのに、ハクを犠牲に帰ってきちゃったけど大丈夫かな?最悪そのまま送り返されそうな・・・。