あ、キャラに魅力がないんだ…。なーんかつまんないなーと思いながら続けて、前作のキャラが登場したところでようやく分かりました。なんか前作の資産で生きてるような作品で、思えば、このゲームでほとんど笑ってません…。
前作から引き継がれたりそなや衣遠はそれなりにいいキャラになっていますが、今作で作られた新キャラは全員「特に可愛らしくもなく」「面白くもなく」「殊更際立った特徴もない」微妙なキャラになっていました
決して他のキャラゲーと比べて劣ってるとまでは言いませんか、キャラの魅力が売りの王雀孫の作品であり、それをうまく引き出していた釣り乙の続編であることまで考えると残念ながら「不可」の評価にならざるをえません。
デザインで言えば、りそなが最後のグランプリの場面でリリア並みのデザインしか書けなかったような感じの作品です。
以下、具体例。
例えば、今作の新キャラにリリアというキャラがいます
ユーシェと顔の造詣が同じですが、これだけ似ていながら親戚とかいう設定はありません。
この二人が並んでいるのを見た時は、流石に判子絵師の名は伊達じゃないなと感心させられました。
閑話休題。
ユーシェが「ですわ」を多用したのに比べ、リリアは「真心を込めて」を多用するキャラです。
が、真心を込めてそれだけです。
ユーシェはルナ様に間違った日本の文化を教え込まれていて、所々でそれを披露し、つっこみをうける
―――いうなれば、いじられキャラやぼけとしての役割を果たしていました
つまり、
嘘知識を教え込まれる→得意げにそれを披露→つっこまれる→「ですわっ!」
というぼけとつっこみの一連の流れが前作では確立しており、それが笑いにつながっていました
しかし、今作のリリアは台詞の狭間に「真心を込めて」を挟むだけです
真心を込めて言語に不自由してるなどといった理由もありませんから、真心を込めて突っ込みどころでもありません。そして、真心を込めてかわいらしくもありません。
なんかキャラに特徴をつけようとして「とりあえず変なこと言わせとけばいいんだろ」みたいな安易な発想のもと無理やり作られた特徴にしか真心を込めて見えませんでした
今、私も真心を込めてを使ってみましたが、うざいだけでしょう?
こんなのをずっとやられるこちらの気持ちにもなってください。
エッテは気さくでフランクなキャラと前作の湊ポジションでしたが、これもまるで良さが伝わってこない
湊は遊星が好きで好きで仕方ない一途な乙女であり、思わず応援したくなるような可愛さがありました
そして庶民派であり、その感覚の違いを誤魔化したりするさまも面白かったです
一方エッテは実は同性愛者?勝手にメリルとくっついとけよ、どうでもいいよ、そんなん
やはり面白くもなければ、別に可愛くもなく、ほんとうにでうでもいい設定しか伝わってこない
そして、そのメリルも一体何キャラだったのか説明できないほどうすいです。
天才・天然って程度の設定でしか存在してなくて、特徴といえるほど大したものではありませんでした。
総じて、
○○キャラと呼べるような設定は考えましたって程度で、それが可愛さや笑いにまるでつながっていないんです
だから掛け合いはつまらないし、キャラの魅力も足りない
キャラゲーに必要な笑いと魅力が欠けているから、共通が長く感じ、シリアスもどこか醒めた目でみてしまう。
いや、最後の展開とかもつっこみどころ抜群でしたけどね
突然、「よし!後継者はこの二人じゃー!」とか言われても「いや、ギャグじゃねぇんだからもうちょっと慎重に考えろよ…今までの争いは何だったんだ…」としか思えません。
金子とかの改心も早すぎですし、元々シリアスにそこまで期待していないとはいえ、全体的にいくらなんでも駆け足すぎました
そもそも毒蜘蛛と呼ばれたスルガがどう活躍するのか楽しみにしてたらただのいい人で終わるという期待外れ感
唯一面白かったのも、前作キャラが出てきたシーンだけです。
りそなは相変わらず可愛かったですが、サブで輝くタイプだった気もしますね。とはいえその成長っぷりには好感が持てました。
衣遠は文句なし。ひたすらツンデレで登場するたびに笑いました。もうこいつヒロインでいいじゃん。
しかし、なんといっても朝日班の面々が留学してきた場面でしょう。
瑞穂の「朝日の心が、男性の肉体に封じ込められてしまったんでしょう?」とか爆笑しましたし、ユーシェは普通の言葉づかいしてて逆に違和感があって面白かったですし、湊も相変わらずかわいかったですし、ルナ様はルナ様でしっかりSっぷりを発揮してました
どれをとっても面白く、前作のキャラはよくできるなーと感心させられました
まぁ、今作キャラのつまらなさが浮き彫りになるわけですから、出さない方がましだった気もしますが…
この作品はここだとやたら絶賛されていますが、残念ながら私にはごまんとある平凡なキャラゲー程度にしか思えませんでした
正直、ほんとに王雀孫が書いたのか疑うレベルの出来です
前作が面白かったから買おうか悩んでいる人には間違ってもおすすめしません