文句なしに面白い!「前作のVBEの1.5倍の労力がかかった」と何処かに書いてありましたが、途中で力尽きて終盤を打ち切ってしまうエロゲメーカーが多い中、最後まで面白いゲームを作り込んでくるここの姿勢には好感を覚えます
マンネリ対策とのことでVBEから色々システムを変えてきた今作ですが、変えた部分のほとんどが当たりだったように思います。
まず、産卵システム。
魔族を産卵することで味方を増やしていくのですが、どのユニットを産卵するか吟味するのが楽しいです。ユニット毎に様々な特徴があり初期モンスターも使い方次第ではやっていけるのもいい。
また産卵時にランダムで二つ名というものがつき、その二つ名の種類によってさまざまな追加効果を得られますが、その追加効果の幅が広く二つ名次第でさまざまな戦い方ができます。
神速のマーメイドで夢の9連遠隔攻撃+攻撃弱体を狙うのもよし、機械仕掛けの水ポチャマーメイドで味方のサポートに徹するもよし。
リトライボタンを押すのは面倒ですが、この面倒さがまた一つの味を出しています。
すくなくとも好きに二つ名を付けれるシステムだったら、自分の部隊のモンスターにこんなに愛着がわくことはなかったでしょう。
時々面倒になりながらもついついリトライを押してしまうのもこの味のせいでしょう。
あと、これが面倒すぎて投げたという人は明らかに吟味のしすぎです。
少なくとも二つ名を二つとも吟味するのはよっぽど気にいったキャラ1体だけにしましょう。
他を吟味するときはいくつか候補を挙げておいてそのうちの一つでもあればいい程度に思っておけばほとんど時間はかかりません。
重要じゃないとおもうキャラはよほど悪くなければポチってレベルにとどめとくべきでしょう。
気に入らなければ転生でレベルそのままで二つ名をかえることだってできます。
あと特典の攻略小冊子みればわかることですが上位の二つ名は産卵に不必要なシードの数が多くないとつきません。産卵に3つシードが必要なやつに神速つけようとして粘っても無駄です。後ろにしかつかない二つ名もありますので撃破金運を重ねようとしてもやっぱり無駄です。
で、迷宮システム。
はっきりいって同じシステムを持つ「巣作りドラゴン」に比べてかなりお粗末なシステムです。
階段とかいった物は存在せず、「敵は一定確率で上から下に降りる。降りれなかったらそのフロアで横移動。」というびっくりするほどシンプルなもの。
最近のゲームではなかなかないこのシステムに始めは戸惑いましたが…慣れてくると逆に新鮮でした。
つまり、フロアを階段と階段を結ぶ線ではなく、フロアそのものの面として考えてフロア毎の構成を決めるのですが、なかなかに奥が深かったです。
また巣作りとくらべて部屋を作るのが何倍も安価だったのも好印象でした。
というわけで流石に1.5倍の労力をかけただけはあって元々面白いVBシリーズの中でもとりわけ面白いです。
個人的にはわずかながらですが神採りにも勝てるクラスの名作だと思っています。
絵で倦厭してたそこのあなた。
気持ちは分かりますが、騙されたと思って買って見てはいかがでしょうか?