華・ノキアのルートはとってもかわいいキャラ設定を作ることには成功してるのに、それをそのまんま押し付けてくるんですよね・・・
とりあえず、かなり笑いました!
特に共通が面白かったのですが、この笑いのタイプが2chやニコのパロネタを多用して無理矢理笑いを取るタイプではなく、キャラの特徴を最大限に活かしてキャラ立てをしつつ笑いを取るというスタイルで凄く好みでした。
つよきすのころのタカヒロを思い出す出来です。
ギャグゲーが好きな人はこれだけでも買う価値があるでしょう。
絵も一級品とはいわないまでもなかなかいいレベルで、このゲームの看板ともなった顔芸は確かに見ててなんじゃこりゃと言いたくなるいい意味でぶっ壊れた出来です。
しかし、このゲーム複数ライターにした弊害がちらほらあり、特に個別のクオリティ差はひどいものでした。
その中でも気になったのはキャラの魅せ方です。
まず、一番気になったのがノキア・華担当のライターさん。
例えば、ノキアルートではこんな場面があります。
>「(デートで)私がおしゃれなんかするわけないだろww」
>→歯に青ノリがついてるという話になってあわてるノキア
>→「今朝ちゃんと鏡を見てきたからそんなはずは……いや、なんでもない」
普段男勝りなキャラが”実は”デートを前に容姿を気にする乙女な部分もある、という何ともかわいらしい設定ですが…”実は”が”実は”になってないんですよ…。
最初の「おしゃれなんかするわけないだろww」って台詞が行間で余りにも「私おしゃれしてますよー!乙女ですよー!」って主張してるせいで、後からおしゃれしてるって分かっても(あぁはいはい)としか思えません。
テンプレートツンデレに「あ、あんたのことなんか全然好きじゃないんだからねっ!」と言われても、またかよ…ってぐらいにしか思わないのと一緒です。
普段こっちを嫌いなように振る舞ってるあの子が実は…、という意外性・ギャップがキャラの可愛さを引き立てていて、「普段の行動は素直に好きと言えない不器用さからだったんだな」と気づく衝動がそれをさらに高めてツンデレ人気を作ったわけです。
「実は好きなの」と言われて「あぁ知ってたよ」と返せるようなツンデレに一体どんな可愛さがあるでしょうか
華ルートも同じです。
かわいいキャラの”設定”ではかわいいキャラではありませんでした。立ち絵は好みでしたが。ロリコンいいよねロリコン。
あと、このライターは無駄なシリアス展開が多すぎます。ぶっちゃけルート自体がいらない。
その点、咲夜・実咲・共通担当のライターは弁えていて、むしろそれをギャグとして使っている感じすらありました。
例えば共通。
>華「私は子供が嫌いだ」
>→直後に、保育園で子供と遊んでる華の絵が出てくる
>→主人公「めっちゃ大好きやん!?」
こんな感じで、意外性はないんですがはなから意外性が出ないと分かり切っててシナリオを描いていて好感が持てます。
シリアスに関しても、咲夜に関してはテンプレ展開では終わらせないぞというライターの意志が伝わってくる感じで良かったと思います。
テンプレ展開だと、例の丸いあれを咲夜が情に絆されて「もう探さなくていいの」とか泣きながら渡す感じになるんでしょうけど、そこをもうひとひねり加えてきたところはとても好きでした。
実咲ルートの見どころは氷室屋でしょうか。
あのシーンもふだんおちゃらけてる氷室屋ですが、主人公を好きというのは本気だったんだなと意外性のあるシーンでぐっときました。
むしろあのシーンが今作で一番意外性があったかもしれません。
最後、マヨ姉担当のライター。
正直理解できないレベルでした。
マヨ姉、偽のラブレター出したあげく、まぁ今日の事は忘れようって流れになると「私がこんな苦労したのにふざけんじゃないわよ」と逆切れする池沼だったんですが…
頭沸いてるとしか言えないシナリオで今作で一番酷い出来だったと思います。
大体、個別に入った直後に突然デートし始めるあたりからちょっと常任にはついていけない思考回路をしている感じがありましたね…。
とまぁ全部天都が書けばよかったものをといいたくなる非常に惜しい出来でしたが、なかなかそうもいかないのでしょうね。
しかし、共通と咲夜・実咲はとても楽しめたので全体として見どころがない最近のキャラゲーからすると頭一つ抜けてる作品だと思います。
シリアスなゲームに疲れた時の清涼剤としていかがでしょうか