昔から高評価されている作品だからこそ、重厚なシナリオなのかと期待してしまった。期待があったからこそ余計低く評価せざるを得ない
私は乙女ゲームと合わせてもプレイ本数が70~80で多いとは言えないが、それでもゲーム始めたての頃に車輪をプレイしていたら少なくとも今やるよりは楽しめたのかもしれない。
文章は良く言えば分かりやすいが、悪く言えば終始薄っぺらいように感じた。薄い内容でも好きな作品はあるが、この作品に厚みのあるシナリオを期待してしまったから失望してしまった。同ライターでも、G線は不満はあれど楽しめたから尚更。
5章のお姉さんが登場するシーンがこの作品の見せ場だと思ったが、ずっと近くにいたというのは過去の文章を振り返っても叙述トリックとしては無理やり感が否めず、明かされたときも感動を得ることはできなかった。
同じく5章にて法月が足を悪いように見せかけていたことには素直に驚いたし、主人公に初めて共感することもできた。が、主人公もドラックをやっているように見せかけ法月を騙していたことには似たようなトリックが続いたことでしつこく感じたし、作品を通してみても法月はそんなことにも気づけない詰めの甘い人間とは思えなかった為違和感をぬぐい切れなかった。
ヒロインについてもいくら更生する必要があるとはいえ、さちと灯花は更生前があまりにも酷く描かれている為嫌いになってしまうほど。好みじゃないヒロインなら他の作品にも多数いるが、ヒロインの半数以上が嫌いな作品は滅多にない。シナリオを重視している作品でも美少女ゲームという括りの中にある以上、もう少し魅力的なヒロインにしてほしかった。
法月、主人公含め主要キャラ全員好きにはなれなかったので、続編をやるかは怪しいです。