誰もがちょっとだけ優しい世界だからずっとそこにいたくなる
この作者の作り出すキャラクターは毎度のこと心をつく言動をする。
人間の一番綺麗な部分を切り抜いて作ったようなキャラクター達なのである。
もちろん、人間っていうのは自分たちが生きてきた過程により、
性格はもちろん、行動や優先順位などが変わってくる。
しかし、パルフェのキャラクターは誰もが魅力的な性格を持っていて
どの言動も素敵すぎて納得できてしまうのだ。
(ネタバレ要素が強いため改行)
辛い思いをした里伽子。仁のことをずっと好きでいたが、
一番居てほしかった時にそばに居てくれず、家族を優先されて裏切られる。
それでも、距離を置きつつ仁を恨みながら、片手の動かない状態で無茶をして仁を助け続ける。
一見矛盾しているが、非常に人間的である。
人間的過ぎて人間離れしている。
たしかに人間はこういう面も持っている。
だが、こんなに人間は強くはいられないし、素晴らしくないのだ。
利己的で狡猾な部分もある。打算的な部分だってあるのだ。
忍耐が続かなくなって逃げることもあれば、諦めてしまうことだってある。
もちろん、この作者はちゃんとわかっている。人間の暗い部分(例えば、恵麻が仁のことを仁と認識しつつ、兄のふりをさせて甘えていた部分)
や時には逃げてしまうこと(由飛が現実逃避として、ファミーユで働きだしたこと)もしっかり書いている。
しかし、最終的には人間の強さや優しさが残る。それが人間の弱さや情けなさを少しだけ上回っているのだ。
作者に言わせると「お前の周りの世界は・・・お前が考えるよりも・・・ちょっとだけ優しいんだよ」(玲愛TRUE END)
こんなにも優しい世界だからクリアした後の余韻も優しくて、もっとこの世界に浸っていたいと思ってしまった。