そこらへんの全米が泣く災害映画より断然面白い。
個々の心理描写が卓越しており、動かないCGでも「明瞭に動きを想像させる」点は素晴らしい。他のADVはともかくこの作品を紙芝居ゲーとは決して呼べない。
また、登場人物の心理の多くは「こういう部分は自分にもあるかも」「こういう極限状態にあればもしくは自分も」と想像させ、考えさせる点が良い。
さらに、この作品はプレーヤーに現実を突きつける。(TRUE ENDでこの点は薄まってしまっているが)生ぬるい事態は決してなく、重要キャラがどんどん死んでいくのはご都合主義というよくありがちな展開を否定している。
これらの点を踏まえ、総合的に見ても、私が経験してきたあらゆるメディアでの「災害もの」よりもこの作品は良く仕上がっていると思う。