前作のような浮気ゲーを期待してたのに…
個人的にOverflowのような修羅場ゲーが好物なので、
前作「美衣菜△です!」が気に入っており、今作も公式の作品紹介から
似たようなタイプの浮気ゲーを期待していました。
前作はメインヒロインと暮らしながら選択によってはサブヒロインと浮気をし、
△の名の通り各ヒロインのルートで様々な修羅場に発展する流れでしたが、
今作ではエンディングを迎える度に各サブヒロインをフィーチャーした新たなルートへの選択肢が追加されていきます。
ただ、1時間弱で終了する短編がいくつか追加される程度で、個別ルートと言えるほどのボリュームはありません。
ならば共通ルートが長いのかというとそんな事はなく、そちらもせいぜい4時間足らずで終わってしまいます。
この追加ルートというのも他のヒロインを好きになったら…という普通のifではなく、
「人の心が読めるようになる」、「平行世界に移動してしまう」など、
いきなり意味不明なSF展開が始まるという不条理なシナリオがほとんど。
その一つとして一応前作のような修羅場が展開されるルートもありますが、
基本的に主人公はサブヒロインを好きにならず求められてヤるだけという形のため、
前作のようなメインヒロインに対する後ろめたさや浮気に関するやりとりはほとんど無く、
サブヒロインと関係を結んでも結局最後はメインヒロインとハッピーエンドというものばかりで
実質サブヒロインの個別エンドはあって無いようなものです。
また、前作からほとんどの声優が続投しており、メインヒロインに至っては二作続けて同じ人が勤めています。
主観になりますが、このメインヒロインの声優が下手で、絵や塗りの荒さも相まって可愛く思えないため、
余計にメインヒロインの比重が大きい展開が気になりました。
ぶっちゃけこのブランドはシナリオは凡庸で、絵も下手です。
「立ち絵とイベントCGが別人じゃねーか!」なんてのは当たり前。
塗りもアーベル系特有の「いつの時代?」と言いたくなるのっぺりした色使い。
前作のイベントCGをトレースして反転させて使用したりといった手抜きも目に付きます。
背景に至っては、前作のものをそのまま流用してます。
(もしかしたら同じ街が舞台という設定なのかもしれませんが、それらしい描写は無し)
それでも前作は"近年では数少ない浮気ゲー"という個性がありましたが、
今後も今作のような無難な展開、或いはトンデモ展開を続けるようなら
数ある凡作量産メーカーの一つとして埋もれてしまうでしょう。