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ms-dos-ojisanさんの夏への方舟IIの長文感想

ユーザー
ms-dos-ojisan
ゲーム
夏への方舟II
ブランド
Argonauts
得点
90
参照数
1139

一言コメント

中盤はグダグダに…最後の最後で大逆転

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

vol2.の最後の最後まで終わらせたので感想を大改訂。

最後の最後までやらないとわからないのだけど
実はこれ抜きゲーではないし、
シナリオを書いた本人(「灰瞑」名義のあの人)にとって今回はエロはどうでもよく、
反倫理・非道徳で突っ走る田舎の閉鎖空間ゲーということですわ。

まず、これは[ブランドの宣伝()通りに物事を受け止めると]抜きゲーに分類されてしまうと思うので、一応Hシーンの感想を書くw

最初のシーンからガチホンバンを行った1作目と同じようなエロ構成かと思いきや、
最初のシーンは発射ナシ。次のシーンで最初の発射なのだが、いきなりぶっかけうどん。

実用性から言うと最初のテコキのシーンがすごく、中盤の本番アリのHシーンは同じ姿勢からの二回射精が多く、飽きてしまう…

だがしかし、エンディング前ラストのHシーンの導入から最後の最後までの話の展開がすごくて度肝をぬかれた。
HシーンなのにHシーンのえろさ自体に全く興味がわかず、Hの最中に交わされる主人公(兄)と妹の会話が凄くて大変面白かった。

実用性たっぷりの抜きゲーにMoonstoneの呉氏監修の叙述や演出の匠さが光るArgonautsのファンなので、
あえて厳しいことを書くが、本シリーズはエロシーンのエロさ、実用性にムラがありすぎる。
テコキのシーンは抜けるが、本番が全くエロくない。
家の彼女/妹/恋人シリーズ、美娼女学園シリーズ、癒してあげたいシリーズ、は安定したエロさと実用性・計画的な実用ライフが可能な仕様であったが「夏への方舟」シリーズはあかべぇそふとの「粘膜ポトレ」風のアニメーションを導入したためか、Hシーンにかける労力をほぼすべてアニメーションがあるシーンの調整に使ってしまったのではないか。

新技術を導入すればよくなるというものではなく、新技術を使いこなすだけの時間と労力とお金を投入しなきゃいけない…新技術を使ってない部分のテコ入れもしなきゃいけない…。なので新技術は台詞(心理描写・独白含む)バルーンで止めておくべきでした。


緊張感がない弛緩したエロというか…。
終盤の方のHシーンでは寝てしまいました。
恋人ではなくて妹なので漫然と交わっている ?ということを表現しているのか、
スケジュール的に何があっても絶対に遅延しないブランドなので、クオリティを犠牲にしたのか。
同じディレクター・同じシナリオライター・同じ原画絵師さんで美娼女学園とここまで差が付くとは…

Hシーンが使えたかどうかを打率で示すと、夏への方舟2は打率5割を切っています。
夏への方舟1は打率7割ぐらいでしょうか。
癒してあげたいシリーズは打率8割
美娼女学園シリーズは打率10割 !
家の彼女/妹/恋人は9割です。

これなら夕凪荘1,2で大きく株を上げたMoonstone Cherryの方がいいです。
正直ゲームソフト開発もビジネスですから、遅延を絶対にしてはならないというのは理解できますし、非常にごもっともなんですが今回は…うん、これ最後の最後までやってわかったのですが、抜きゲーじゃないんですわ。

抜きゲーに偽装したお話を読ませて戦慄させるゲームだわ。
(シナリオゲーという言葉はあまり好きじゃないので使いたくない)
Hシーンは長くて抜けなかったがこのゲームでは抜こうとせず、主人公と妹の会話をよく考えて鑑賞するのが吉。
アニメにも力を入れているがそれは偽装で、Hシーンはテキストをよく読むんだ!!
これで抜こうと思うな!!!

抜きたい時はMoonstone Cherryの夕凪荘1,2やArgonautsの美娼女学園シリーズを起動しようw