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morufaさんのいもおか 〜母性ロリ近親相姦ハーレムADV〜の長文感想

ユーザー
morufa
ゲーム
いもおか 〜母性ロリ近親相姦ハーレムADV〜
ブランド
最果てスタジオ
得点
75
参照数
474

一言コメント

短い尺ながらもゆっくりと静かに堕ちていく主人公と家族の甘いひと時をご堪能あれ

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

■作品傾向タグ■


社会人主人公・近親相姦・夏休み・ハーレム


■作品構成■


妹たちとの関係を先に進めるかどうかの選択肢一度のみ
個別エンドは存在せず、エッチシーンも必ず姉妹3人か、母を加えた4人全員とのハーレムプレイ
のみという異色の構成をとっている

海を臨む田舎から単身上京した主人公は慣れない都会での一人暮らしと社会生活で疲弊し、
妹3人と母が待つ実家へと逃げるような形で帰省する
そしてそんな疲れ果てた兄の姿を見た妹たちはあの手この手で兄を癒そうとするが、
その行動は次第にエスカレートしていき、ある日を境に家族全員を巻き込んだ堕落生活へと
姿を変えていく


■作品内容評価(良かった点)■


立ち絵時の顔と体のサイズバランスが少々気になったが、白生もち氏が描く柔らかそうな
タッチのヒロインたちがとても可愛らしく、自分たちが使える手段を最大限に用いて主人公を
癒そうとするけなげな姿が、読んでいて非常に癒された

特に妹一人一人が何か一つの点で主人公の能力より優れているので、それぞれが各分野で
主人公に対してアプローチを仕掛ける際に、今作のテーマでもある"母性"を最大限表現しきることで
主人公がゆっくりと、そして確実に堕落していく様子が分かりやすく描けている

特に母性を感じやすいという分かりやすいアイコンとして使われやすい"料理上手"や"授乳"を
他ヒロインよりも真っ先に行った楓里、"耳掃除"と"膝枕"を行ったお母さんの両名が
今作中で最も魅力的に描写されており、あまり聞きなじみのない陽向葵ゅか氏のか細い声と、
百戦錬磨のかわしまりの氏の癒し系ボイスのお陰で高い没入感を得られた

また主人公が寝るたびに挟まる独白も社会人生活に疲れ果てた人間の心理描写を非常に良く
捉えており、特に「家に帰っている途中なのに家に帰りたいと感じる」や、
「子供だけが乗せられた脱出ボートに、大人の自分も一緒に乗船している」といった、
社会という枠組みに順応できずにその輪から外れ行こうとしている人間の心理的思考傾向を
非常に良く表現している点に感心してしまった

加えてこの独白が一日一日の活動の最後に挟まることで、次第に主人公の思考能力が
鈍っていき、少しずつエスカレートしていく妹たちからの接触に対して判断が甘くなり
最終的に手の付けられない堕落へと進んでいく、とい非常に危険でそれでいて
抗いようのない蜜の沼のように描写されている点が、今作の最大の魅力だと言える

エッチシーンに関してはプレイ内容としてはハーレムエッチの基本的なものしかなかったが、
値段相応の短い尺ながらも私服、スク水、制服、浴衣、寝間着など数多く取り揃えており、
想像していたよりは飽きが来なかった点は自分でも驚いている


■作品内容評価(悪かった点)■


良かった点の冒頭でもふれたが、白生もち氏による立ち絵時の全体的な描写バランスの悪さが
気になったので、この点は次回作で少し調整して欲しい

また今作の強いテーマの一つである"母性"を表現するにあたって付加された"母乳"設定だが、
正直これが今作の最大の失策だと感じる

やはり実妹を使った近親相姦物を作るのであれば、母乳の描写は妊娠とボテ腹という表現と
ワンセットで表現して貰えた方が、"一線を越えた"という背徳感とカタルシスをより読者に
認識させることが出来るのではないだろうか

特に今作は実の母まで非常に幼い見た目で描写されており、そんな見た目のお母さんが
主人公を含め4人も出産しているという事実もあるわけで、そういった妊娠やボテ腹、
母乳や授乳といった"母として"初めて発生するアクティビティに対してお母さんと妹たちの
やり取りが見れないのは非常に勿体なく感じる


■総評■


値段相応の短い尺ながらも、独特な表現方法によって静かに、そして確実に堕ちていく
家族の絆の描写にどこか心地よさを感じる一作

作品全体の雰囲気としては"分かりやすくテンポが良くなった夜のひつじ作品"
といった趣で、どこか軽い文学めいた表現と病み成分強めの夜のひつじ作品に対して、
今作はあっさりとしながらもいつの間にか心に手を触れられているような妙な感覚に陥るので、
正直な所読み手がどれだけ現実世界で疲弊しているかによって評価が大きく変わるような気がする

私の場合は妹などは一切いないが似たような形で実家に逃げ帰った経験があるので、
こういった身に置き換えやすい"悪い救い"の描写は身を切るような実感を伴ってすっと
体の中に入ってくるようで、そういう意味で余計に心が動いたように感じるのかもしれない

新サークルの処女作ということだが、最果てスタジオは今後とも期待していきたいと思う