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morningstar4989さんのクロガネ回姫譚 -絢爛華麗-の長文感想

ユーザー
morningstar4989
ゲーム
クロガネ回姫譚 -絢爛華麗-
ブランド
みなとカーニバル
得点
75
参照数
400

一言コメント

なぜか終盤まで立ち絵が全く表示されず、突然立ち絵が現れるようになってびっくりした。(立ち絵無いのは仕様かと思いながらプレイし続けていた。。。)しかしながら、せっかく現れた立ち絵のLive2Dが微妙過ぎてな。設定でLive2D解除できないし・・・これなら立ち絵無しのままで良かったかも。それはさておき、肝心の内容だが・・・

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

それぞれの個別ルートで設定や真相等を明らかにしていき、グランドルートで総括するタイプの作品。
ルート毎に明かされる内容は様々なので、次はどんなネタが明かされるのかと楽しめ、また、ライターが得意とする軽妙な会話で(多少中だるみすることはあったが、)読み進めるのも辛くなかった。

・・・だったのだが、一番大事なグランドルートが(個人的には)"やらかした"レベルの内容。

グランドルートは、冒頭で主要人物がいきなり殺されるところからスタートという鬱展開。
その展開だけではまだそこまで思うとことはなかったのだが、「現晶」の力で時間を巻き戻す云々の話が出て来た時点で「ああ、最後はミラクルパワーで全員生き返らすから、主要人物含め、次々と殺していくんだな。」と展開が読めてしまう。
そうなると、どれだけ過酷な展開になろうとも感じ入るものがなく、先が気になることのないただ気分の悪い鬱展開を見せられる状態に。

で、やはり「時間を巻き戻す(=なかったことにする)」展開となるのだが、なんとまあここまでずっとプレイしてきた"世界"自体をなかったことにするという暴挙。
や、ストーリー上の結末として違和感がある訳ではないのだが、このような結末に仕立てたライターを支持することは到底できない。
「現晶」の力で、日本が敗戦するという結末を回避して理想の世界を作り上げようと、何度も時間を巻き戻してやり直す孫六に対して、「敗北は次に勝つためのもの!」と言い放ち、それを否定する国綱(と正宗)。
その言葉とともに孫六の野望を打ち破った彼らに与えられたのは、「近しい大切な人が誰も犠牲になっていない平和な世界」。
・・・や、作中の彼らが意図して生み出した結末ではないのは間違いないのだろうが、ライターは自身が描いた展開と結末に矛盾を感じなかったのだろうか。。。
プレーヤーからしてみれば、「結局、孫六と同じことしてるじゃん!」とツッコミを入れざるを得ない。

グランドルート終了後に解放されるアフターストーリーも、グランドルート後のアフター。
様々な悲劇や苦難を乗り越えてきた、まさに「次に勝つため」に精一杯生きてきた彼らの話ではない。
そんなの見せられてもなぁ、と微妙な気分で読み進め、プレイ終了。
なんともイマイチな印象の作品となってしまった。。。

あと、祢々ルート追加する前にミカサルート追加すべきです、はい。