怪物ゲーになりうる
シナリオ CG 演出 音楽 が胸糞悪い方向へのベクトルに向かい、なおかつガッチリ噛み合っててまとまりがあり、どうしようもない完成度の高い作品
人見先生に感情移入すると行動や自虐や心理描写や女キャラのセリフにイチイチ衝撃を受けてしまい数分画面をぼんやり見つめているしかなくて、ライフゼロなんて事もままあり終始げんなり
ストーリーの終盤で妄想を終わらせてしまったら絶望しかないのに、自分を取り巻く人達に「さよなら」を言うために這いずり歩いていく人見先生がどうにも好ましく思える、でもそれすら最後の最後に台無しにさせられる
11/8/14 追記
設定資料集に長岡氏が「プレイヤーの心に侵食したかった」っと書いていたのを見てずいぶんと納得いってしまった
侵食度にはその時その時でムラがあるものの、学生のころの放課後の空気感やらを思い出した時に
このゲームにピッタリハマってしまう作用があった気がした、そんな状態の時プレイした時の異物感といか気持ち悪さは、なんて言えばいいんだろう
12/7/21 追記
最近再プレイをして、本当にただの自己満足の感想ですけれども、少し気がついたことがあったので追記
プレイしてて毎度 気持悪くなるのと分かってても、つらい事があったときなんかに無性にこのゲームに帰ってきたくなるんだよなって思う時があるのです
この帰ってきたくなる感覚
音楽や小説や絵やゲームやアニメなどなんでもいいんですが、その作品が作り出した空間が、そのまま心の中の隠し聖域みたいになってしまうような存在の作品と言いますか。
「さよならを教えて」は自分とって、音楽や小説や絵など全部ひっくるめた中でも、ごく稀に出会えた数少ない、心の中の隠し聖域のような作品の内の一つです
なんでこの「さよ教」が心に巣を張ってしまう作品になったか
それは一番上のほうに書いた、どうしようもない完成度の高い作品であって、その中の3Dの背景と言う物が効果的な要素だったと今さらながら気づいた
「∴さて・・・・どこへ行こうか?」主人公の人見先生を学校の中の3Dの背景で彷徨わせる場所を選ばせて頂き
くわえて誰もが学生時代に似たような感覚を感じた事のあるんじゃないかなって思うメチャ巧みな風上描写が、普段忘れがちな高校時代の風景と気持ちをくすぐってくれました
これが合わさり効果で、このどうしようもない泥沼の底の最底辺すら突き破った最悪の作品に入り込む強力な入り口になり
あたかも自分も、最悪の箱庭であるこの校内を徘徊しているような感覚を味わえるのではなかろーかと思うのです。