これはブルーズ
なんて夜だ
俺みたいな人間に全幅の信頼をよせるつもりか
バカみたいに
一人で生きていくならギャンブルなんて駄目なんだ
預金残高は力だ
居心地の悪い他人の家で少しでもプライドを保つため金を入れたんだ
そうしないと押しつぶされてしまいそうだった ただ金だけが俺を守った
生きるだけでせいいっぱいでも会話がなくても安らぎと手料理がなくても!こういう感情を味わうのがイヤだったから俺は一人でいたんだ!
人に頼れず一人で生きていかずにはいられなかった主人公司と、同じくらい いびつな高屋敷家の人たちの摩擦の中で起こる切羽詰ったシーンの、本当にギリギリの所で搾り出すような言葉に異常なほどの説得力があった
自覚のない人と繋がりを渇望する気持ちと、人と関わって傷つきたくない気持ちとの葛藤に胸ぐらを掴まれたような気持ちにさせられた
社会的弱者の視点と弱者には、とことん優しくない底辺の話に打ちのめされました。
そしてそんな作中にただよう焦燥感をふき飛ばしてくれる寛大活躍のギャグ(なんだよ架空の妹て)との波状攻撃がぶっとい軸になって、長いけど密度の高いストーリーにさせてるんだと思いました
いよいよ本格的に追い詰められて分散する前後の全員鉄板の各ヒロインルートで
真純が司のことを「自分に人を愛する資格があるか、そういった悩み方もできる人もいるんだから」と言ったように
葛藤のすえ、司が大切に感じた人を 大切に思った場所を大切にしたいと、ついに覚悟した姿に
目が眩むような。いい物語を読んでるときにたまに味わえる色んな意味が噛み合うような。あの震えを子汚い部屋で感じた物でした。
なんというか保留なしで共振できる、自分に何かを植え付けたそんなゲーム。