共通ルートが一番面白かったなあ…。
いきなり個人的な好みの話になるが、僕は「夢オチ」が大嫌いだし、キャラを大事に扱わない作品もまた、好きじゃない。
主人公を精神的に成長させるという意味があるにせよ、個々のヒロインたちとの物語が追加ルートを除けば一本道である物語の通過点でしかなく、吹けば消えるような幻だったというのは許しがたい。
姉御のルートなんて、Refrainなどよりもよほど泣きたい気持ちになったね。不憫すぎる。
全部終わったら記憶もなくなっていて、お互いに抱いた気持ちも何もかもなかったことになるなんて悲しすぎるだろう。
こういう、物語の構成における重要な展開のためにヒロインを使い捨てていく形式は正直言って虫唾が走る。
彼女たちは主人公の糧となるために出汁を取られる鰹節か何かか?
Refrainをやりたいがためにヒロインたちのルートをないがしろにするなと、声を大にして言いたい。
ここからようやく中身の話に入るが、Refrainまでの個別ルートは大体面白くないし、特にクドのルートなどにおいては、プレイ中は何が何やらさっぱりだった。
楽しめたのははるちんルートくらいなものだ。
肝心のRefrainも多少うるっときた場面はあるものの、声優の演技に引き込まれただけで内容自体はそこまで感動できるものではなかった。
ここまでだったら(無印の内容だけだったら)、そこらの凡ゲーと大差ない点数をつけていたかもしれない。
しかし、EXには沙耶ルートが存在する…!
このことだけで10点は跳ね上がるという事実に反対する者は少ないのではないかと思う。
いやー、腹を抱えて笑ったね。
「げげごぼうおぇっ」とか言っちゃうヒロインに初めて出逢ったわ。
リトバスで一番好きです結婚してください。
終わり方も良かったし、沙耶ルートは大満足だ。
沙耶が生き延びて現実で再会する話はよ。
佳奈多のルートも、はるちんルートを別の側面から見た感じでなかなか楽しめた。
何より佳奈多が可愛すぎる。
ああ、途中で諦めなくてよかったなと、改めて思わされる。
さみしげなさざなみさんのルートはぶっちゃけ語ることはない。
別に面白くはなかったけど、小奇麗にまとまってるからいいんじゃね?って感じ。
そんなわけで、共通とEXヒロインのルートくらいしか面白くなかった本作であるが、野郎どもを筆頭にキャラクターがとても魅力的に描かれている。
リトルバスターズという集団の空気感もとても心地よい。
見ているだけでこちらまで楽しくなってくる。
だからこそ、この魅力的なキャラクターたちでマトモな青春モノが見たかった…!
仕方のないことだが、その点が残念でならない。