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mmasaharuさんのたまはじ! -たまたまハジケル妹たち-の長文感想

ユーザー
mmasaharu
ゲーム
たまはじ! -たまたまハジケル妹たち-
ブランド
アトリエかぐや
得点
78
参照数
2439

一言コメント

これはエロい。一番評価したいのは実妹とHする理由がちゃんと存在すること

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

自分は「実妹モノの抜きゲー」というジャンルの作品はあまりプレイしません。    
なぜなら、妹という倫理的に忌避すべき相手を、簡単に性の対象として見る主人公にどうしても感情移入できないからです。


妹モノで一番大切な要素は「妹とHする理由に説得力があること」だと思います。

  ・何故、実の妹でなければならないのか?    

家族である実妹がヒロインの場合、これの理由が弱いとストーリーに説得力を感じません。
いくら抜きゲーとは言え、ここの説得力が弱いと主人公に感情移入できず、Hシーンすら三文芝居に見えてまったく興奮できないのです。

お兄ちゃんが好きだから。妹が好きだから。誰もいないからその場の雰囲気で。
こんな弱い理由だけで血のつながった家族相手に腰を振る主人公は性欲任せのサルにしか見えません。
残念ながら抜きゲーの場合、次々にHシーンを挿入しなければならないためか、この辺がおざなりになってる作品が多いと思います。

以上の理由から実妹モノの抜きゲーはちょっと苦手なジャンルです。
シナリオゲーなら長い尺を生かしてこの辺をクリアできてる作品もたくさんあるのですが・・・


で、この作品もその辺の妹ゲーと同様にひたすら実妹たちとHを繰り返すだけの内容でした。
最初から好感度マックスの妹たち、親不在というシチュエーション、シナリオはお察しレベル。
世界観もどこかで見たような内容で特別な目新しさは無いかもしれません。

しかし本作には主人公が妹たちとHする理由がしっかりと存在します。
この作品のストーリーは、

 ①久しぶりに妹たちが暮らす家に帰ってきた主人公。
  再開の喜びもつかの間、父親に持たされたキノコを食べた主人公は倒れてしまう。
   ↓
 ②このキノコは「タマハジケ茸」という毒キノコで、これを食べた男性は異常性欲化して精子が大量に作られてしまう。
  これを放置しておくと大量生産された精子でペニスが破裂してしまう。
   ↓
 ③完治には数週間。その間ヌき続けなければならない(何故かオナニーは不可)。
  しかも知り合いの女医さんに処方された妙な薬を飲んで夜中に興奮が収まらない。
  一刻を争う事態。早く精液を出さないとタマがハジける。
  もう身近にいる妹たちに処理してもらうしかない・・・

こんなお馬鹿な設定です。
しかし、どんなにお馬鹿な設定でも、ここには実妹たちとHするだけの強い理由が存在すると思います。
これにより、物語にしっかりと信憑性が生まれ、妹相手のHシーンにも感情移入することができました。
冒頭で書いた、「妹とHする理由に説得力がある」作品という印象。
私が今作で一番に評価したいのはこの点でした。



肝心のHシーンもなかなかの作りだと思います。

ここで評価したいのはほとんどの1枚絵にぶっかけ絵があったこと。
個人的にかぐや作品は「幼なじみと甘~くエッチに過ごす方法」以来ですが、あの頃と塗り担当の人はまだ一緒なのかな?
少しピンクがかった塗りの体に精液がぶっかけられてる様が凄くエロい。
ちょっと出過ぎじゃね?とか飛び散る方向おかしくね?とか一瞬思いましたがきっとタマハジケ茸のせいですね。
ぶっかけ好きな自分にはドストライクな内容でした。

また、ヒロイン1人につき2ルート用意されているので、同じヒロインでも違った一面が見えるのも面白い。
特におもちゃ好きな次女の蓬とドMになる三女の刹那はかなりエロかったなぁ。
プレイ内容がマンネリにならないようにするメーカーさんの工夫が光ります。

他にも、
 ・一回あたりの尺の長さが丁度いい。
 ・2回戦3回戦当たり前のシーンの濃さもいい。
 ・全裸シーンが多めなのも個人的にはうれしい点。
 ・ちょくちょくヒロイン視点が入るのも感情移入しやすい。
 ・よく1枚絵になると作画が崩れる作品を見かけるが、この作品は立ち絵よりも1枚絵の方が可愛かった。
など細かい美点多数。


ちょっと残念だったのは、もうちょっと一枚絵に変化が欲しかった点。
基本的に表情と汁描写が変わるだけで体勢は最初の絵から変化することがありません。
フェラシーンも口がペニスに届いていないシーンがあり、もう少し差分が欲しいと感じました。

また、ロリ担当のひかり。
随所で難しい言葉使いを絡めてくるのでロリ度は低かった印象。
「冤罪」「帰結」「不可抗力」、こういったロリキャラは使わないであろう言葉を日常シーンで使われるとちょっと冷めてしまいます。
ひらがな表記なら少し背伸びをしている幼女を演出できたと思うだけにこの点は残念でした。



自分の感想はこんな感じです。
シナリオはちょっとアレでしたが、最初に書いたように妹とHする強い理由があったので自然と作品に入り込めました。
実妹モノはどんな設定でもいいからこういう説得力が欲しいですね。