「最初は可愛いが徐々にウザくなってくる」・・・よくメンヘラさんに対して使われる表現ですが、いい意味でこれを体感できた作品でした。ただ、Hシーンに関してはブランド前作『ぶるぶる』と大差ないようで・・・
ブランド前作「ぶるぶる」は個人的にちょっと残念な出来でした。
その理由として
①キャラは可愛いがブルマというコンセプトを生かせていない。
②Hシーンの出来に不満。
③立ち絵おさわりモードのアクションが貧弱。
などがありました。
ちょっと内容的にマニアさんを唸らせるような出来とは言えない完成度だった印象です。
しかし作品の雰囲気自体は光るものがあり、可愛いキャラクターやのんびりしたシナリオに癒された作品でもあります。
なので、今作もパケ絵を見てキャラクターデザインが可愛かったので購入してみました。
個人的に、新作をプレイする際は「前作で気になった点が今作ではどのように変化しているか」を発見するのが楽しみの一つ。
以下、感じた事を書き殴っていきます。
※最初に
この作品は選択肢等は発生せず、ただクリックしていれば終わってしまう一本道な作品です。
そのため、上に書いた③のようなおさわりモードなどは実装されていませんでした。
以下は上に書いた①と②を中心に書いて行きます。
①キャラの可愛さとメンヘラというコンセプト
自分が今作で一番の美点に感じたのはこれです。
まず、今作もキャラがものすごく可愛いかったです。
自分はエロゲー初心者なので今作の原画家さんはよく知らないのですが、
ちょっとロリ系なキャラデザと肉感的な体によるアンバランスさがよく描けていて、絵買いの自分は十分満足できました。
中でもよかったのは立ち絵。
下からぬ~と出てきたり、左右にふらふら移動したり、たまにガタガタ震えたり。
表情はとても可愛らしいし、露出度が高い服装が多いのも好印象。
特に、呆けた顔のゾンビ立ち(猫背で両手を前にだらんと下げてる仕草)の立ち絵は部屋に飾っておきたいほど可愛いです。
常にヘッドホンを装着している姿が某有名キャラクターを想起させますが・・・
それと今作では「メンヘラ」というコンセプトが上手く生かされていました。
このヒロインは非常にネガティブです。
かつて売れっ子アイドルだったのにも関わらず、今は売れないシンガーソングライターということで自分に自信が持てないようです。
主人公がちょっと突き放すたび、首を吊ろうとしたり手首にカミソリを当てたりと、とにかくネガティブな行動を取ります。
逆に主人公が甘やかすと機嫌がよくなり、離してくれないほどべたべた密着してきます。
そんなヒロインの様子が可愛らしく、最初はほのぼのしながらプレイを進めていたのですが・・・
中盤を過ぎ、だんだんヒロインの行動にイライラしてくるようになります。
いやね、本当にウザいんですよこの子。
頑張ろうと決意した途端やる気がなくなったり、大きな声を出さないでという主人公のお願いを無視して大声で淫語を連発したり。
挙句の果てには、
「あたしのこと嫌いなんだ」
「どうせあたしなんて」
「死にたい」
などとネガティブ発言を何度も繰り返す。
どんなに主人公が励ましてもこういった姿勢が改善されず、終いには「ひっぱたくぞこのアマ(怒)」と苛立たせてくれました。
上で書いた可愛いゾンビ立ちの立ち絵も、イライラした状態で見ると馬鹿にされてる気がしてムカッときます。
制作サイドの思惑通りにイライラさせられるヒロイン・・・これぞコンセプト通りメンヘラという印象です。
また、ゲームを終了する時も、
「あたしと一緒にいたくないんだ あたしよりも大事な事があるんだ じゃああたしは・・・」
と言い残し、ぶつっとゲームが終わります。
怖いよぅ、すごく怖いです。
このようなシステムボイスにまでコンセプトであるメンヘラが垣間見えて、ブランドさんのこだわりを感じました。
「最初は可愛いが徐々にウザくなってくる」
よくメンヘラさんに対して使われる表現ですが、いい意味でこれを体感できた作品でした。
こういった諸々の見せ方が本当に上手かった。今作の美点として一番評価したい点です。
②Hシーンの出来
個人的な今作の残念点はこれ・・・前作とあまり大差ない印象です。
キャラの可愛さや精液の塗りなどは満足できる出来ですが、いかんせん今作も差分が少なすぎます。
この作品のHシーンは
1、最初の絵のまま中盤まで進む
↓
2、途中で「2回ほど」表情と汁描写が変わる
↓
3、射精シーン
↓
4、事後描写
と、1枚のHCGに最大6枚くらいしか差分がありません。
テキストがあれこれ状況を示唆しても、CGが元の絵から全然動かないのでは臨場感を感じることはできません。
残念ながら今作のHシーンはほとんどがこれで、前作からの進化を感じることが出来ませんでした。
それと今作はシチュエーションも不満が残るシーンが多い。
・Hシーンに入る流れがどれも同じ。
・初Hシーンでは愛撫も無しにいきなりペニスを挿入する。
・Hシーンはすべて着衣H。
・挿入→射精はすべて中出し。
・ほとんどがずらし挿入。
・特殊シチュが全然ない。
など、細かい残念点がいくつも目につきました。
上で書いた「前作で気になった点が今作ではどのように変化しているか」という期待感は、これに関してはがっかりしたと言わざるを得ません。
確かに肉感的で可愛いキャラなのですが、CGモードで見れば実用度は高いかも?レベルの出来で終わっていました。
シナリオは選択肢無しの一本道。
Hシーンは全17回、CG総数は25枚(HCGは23枚)。
BGVなし、卑語は伏字やピー音なし、H効果音は一応あるもののすぐに途切れてしまう簡単なモノ。
低価格作品らしい内容と言えばそれまでですが、もう少しエロく見せる工夫を見せて欲しかった。
コンセプトは生かせているのに肝心のHシーンは今一歩という印象。惜しい作品でした。