増量されたムービーシーンと、どうしてもエロさを感じ取れない中身について
プレイを終えて感じたことをそのまま書いていきます。
まず、今作のウリである増量されたムービーだが、
綾 ・・・初H(アナル)、フェラシーン(同じCGで2回)、部屋で騎上位、風呂場でバック、裸エプロンでバック 14回中6回
理央・・・初H、理央の部屋で正常位、理央の部屋でバック、主人公の部屋でパイズリ 16回中4回
日和・・・初H、玄関で騎上位、玄関で正常位 12回中3回
小春・・・初H、テニスコートでバック、主人公の部屋で騎上位 11回中3回
みちか・・初H、ペニスバンドでアナルに挿入される、みちかの部屋でバック 12回中3回
以上、全72回中19回(ハーレムはムービー無し)だった。
綾のフェラシーンが同じCGで2回あることから、正確にはムービー数は18シーンという事になる。
この数をどう取るかは人それぞれだと思うが、個人的には前作をプレイしてから時間が経っていることもあり、あまり増えたと実感できなかった。
しかし、そのムービーは相変わらず丁寧に作られてる。
基本的に一定の動きを繰り返すものだが、全体の流れがとてもなめらかだった。
動画開始
↓
射精シーン
↓
事後描写(緩やかな動き)
これらがクリックしていくだけでなめらかに移行する。
射精シーン後、事後の緩やかな息遣いなどをムービーで表現するのはリアルさが増していいと思う。
さらに2回戦突入などでムービーが再開された時、キャラの表情に変化が起こるのも工夫を感じられた。
また、数は少ないがムービー中にキャラの動きや表情が変化するパターンもある。
注視してないと見逃してしまいそうなほどの小さな変化だったが、こういった点もメーカーさんの作りこみを感じた。
スピードがアップするなどの変化こそなかったものの、本当に丁寧に作ってるなぁと思った。
しかし、何故かあまりエロくない。
素材は揃っているはずなのに、いざHシーンが始まってみると興奮できないシーンばかりだった。
以下、気になった点を書き殴っていきます。
〇エロい雰囲気を感じられない
抜きゲーにそんなもの求めるなと言われればそれまでだが・・・
エロくないと感じた一番の原因は全体の雰囲気。
明るい雰囲気はいいと思う。
重くなりがちな近親相姦という題材を、明るい雰囲気で気楽に読み進めていけるのはこの作品の美点の一つ。
また、最初から本番ではなく、愛撫やコキといったシチュエーションから徐々に入っていくのもいいと思う。
ただ、その内容が全然エロくない。
いくら抜きゲーとはいえ、世界観にある程度のリアリティを感じられないとHシーンが三文芝居にしか感じられなくなる。
まず気になったのは、家族である妹という存在をあまりにも簡単に性の対象として見る主人公。
近親相姦という越えてはならない一線を、特に強い抵抗感もなく簡単に越えてしまうのはどうしても感情移入できなかった。
それどころか、あるヒロインのルートでは妹相手に「セックスさせて下さい」と頼みに行く始末。
いくら妹好きというキャラ付けがあるとは言え、眺めている自分に言わせれば「そんなわけねーだろ」という言葉しか出てこない。
また、ヒロイン達も同様。
「全員兄貴好き」という設定をどうこう言うつもりはないが、インモラルな雰囲気が全然出ていない。
逡巡したり葛藤したりする描写がほとんどないので、どうしてもシーンが嘘っぽく見えてしまって全然興奮できなかった。
特に、みちかと小春のHシーンは興奮できないシチュエーションが多い。
・小春のHシーン・・・小春がリードして消極的な主人公が流される。
・みちかのHシーン・・・主人公に卑猥な言葉を喋らせる→みちかが興奮してHを許す。
・「まだできるよね?」というセリフと共に2回戦までもつれこむ。
この2人のHシーンの内容はほとんどこれで固定されている。
主人公のセリフも、「そう・・・だな」とか「わかっ・・・た」とか「・・・」を多用する同じようなセリフばかり。
何度も似た展開を繰り返すので、後半になるにつれマンネリを感じた。
この2人は同じライターさんが担当しているのだろうが、もう少し引き出しを持ってほしいと思った。
他にも、綾の声優さんの声に違和感を覚えたり、BGVにループ感があったりと細かい不満点がいくつもある。
こんな感じで作品全体の雰囲気からエロを感じ取ることができなかった。
〇CGから満足感を得られない
この作品、テキストで示唆している状況をCGで表現できていないシーンが多すぎる。
例えば、
・テキストでは右手でペニスを握ってるとなっているのにCGでは左手。
・見えるはずのない体勢なのにお尻の穴がよく見えると言う。
・すでにパンツを脱いでいるのに、脱ぐのは恥ずかしいから脱ぎたくないと言う。
など違和感を覚えるシーン多数。
基本的に、表情や衣服の着脱が変わるだけで、最初の体勢から大きな変化が起きることがない。
胸を揉んだとなってるのに揉んでない、股間を触ったとなっているのに触ってない等のシーンも多く見られた。
テキストがどんなに淫靡な状況を示唆していても、CGが変化に乏しいのではシーンに没頭するのは難しい。
こんな感じで一枚絵の変化が乏しく、差分が不足しているのでは?という印象を持った。
他にも、
・着衣Hが多すぎる。
・綾と理央のルートは同じCGの使い回しがいくつもある。
・背中を見せる、横向き、ヒロインの手や足で胸が隠れてしまっているなど、アングルに不満を感じるCGが多い。
など、残念に感じた点がたくさんある。
ムービーがあんなに丁寧な作りなのにエロさを感じ取れないのは、元の絵に不満を感じるところも大きいからだと思う。
また、同じCGの使い回しに関しては手抜き以外の何物も感じなかったし、モザイクだらけの動かない断面図は必要性すら感じなかった。
これは「放課後エロゲー部」のときも感じたことだが、作品全体の雰囲気からどうしてもエロを感じられない。
上に書いた要素ももちろんだが、「倫理的に忌避すべき実妹とHする理由」に説得力がまったく感じられないのだ。
多くのシーンで、Hに至る過程、雰囲気、セリフ、地の文、これら全てが興奮できる水準に達しているとは思えない。
実用度が高いシーンもあるにはあるのだが、絵に依るところが大きいだけで、全ての要素がエロいと感じられたシーンはごく一部だけだった。
キャラは可愛い、ムービーも多くの工夫を感じられる。
Hシーンはノーマルありフェチありの万人仕様で痒い場所にも手が届く。
こんなにも丁寧に作られているのに・・・その中身は実妹とスナック感覚でHするというだけの作品。
妹モノにとって大切な要素が欠けている印象でした。