ミステリー的な掴みだが、むしろ館でのコミュニティ管理に主題を置いた物語。
この閉ざされた戯画的な社会を、ある者は”楽園”と呼び、ある者は”牢獄”と呼び、ある者は口を閉ざす。
体制派、反体制派、傍観者という区分けは現実の集団に同じ。
おまけシナリオのみちるの馬鹿馬鹿しい暴走も、権力者への一種の皮肉として捉えられるかもしれない。
それはそれとして、話が進むにつれて設定の粗さが浮き彫りになるのが痛い。他の方の感想にもあるように、「対象者が死んでもよいが、大金は支払う」厄介払いというのは筋が通らない。このため館脱出後のシナリオはすべて説得力が無い。館に留まるENDは概ね良くまとまっていた印象。個人的に好きなのは紡ENDかな。