瀬戸口の傑作
絶望に抗おうとする人々と絶望に屈してしまう人々の話。
やっぱり好きなendは教会end
向日葵endもかなり好きなんですけどね。
瀬戸口は物語のしめかたが上手いよねほんと。
まず、このゲームは立ち絵がないというのがかなり奇抜だった。
立ち絵を使わないことで文章をより際立たせてるように思う。
川原誠の絵も凄く雰囲気でていてよかった。
というか蟹と絵柄違いすぎって川原さんすげえってなりました。
そして展開は瀬戸口作品の中でも1番いいのではないかと思う。
引き込まれて、徹夜でやってしまった。
そして相変わらず感情表現が上手い、サクサク読んでいけます。
とりあえず各キャラについての感想
司とゆか
司は絶望に抗おうと必死になるが、ゆかはそれを阻止しようとしていきます。
結局この二人は表では協力し合ってても裏では最後まで対立していたように思います。
そして、最後までゆかが司を理解できずに皮肉にもゆかが残されてしまうという終わり方は最高です。
瀬戸口は司のことを白鳥に見立てたんだと思います。
最後まで懸命に生き続けて、そして鳴き声こそ修復したキリスト像なんだと思います。
クワガタは周囲にタノさんがいたからこそあそこまで狂ってしまったんでしょう。
周囲にいる人間が与える影響は絶大だなと感じました。
あの場にタノさんがいなければクワガタもだいぶ違ったのではないでしょうか。
タノさんは人間関係を凄く大事にしていたように思います。
そのせいでクワガタを否定することができず、クワガタもおかしくなってしまいました。
まさにThe社会人って感じでした、瀬戸口が一番嫌いなキャラなのも頷けます。
そして雲雀
この中で一番常識人だったように思われます。というか一番子供って感じですね。
人間関係などどうでもいいかの如く本音を言ってきます。
だからこそタノさんが憧れて好きになったんでしょうね。
最後にあろえは人間は一人ではいきられないという象徴だったのだと思います。
結局、人間は一人で生きられないけど人数が多いと対立がおきる、というような人間のややこしさも表現したかったのではないでしょうか。
プレ・スワンソングというあろえの外伝みたいなのがあるので、是非読んでもらいたいです。