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miyato10さんのバッドエンドは君と一緒にの長文感想

ユーザー
miyato10
ゲーム
バッドエンドは君と一緒に
ブランド
ろむそふと
得点
74
参照数
60

一言コメント

悪いところも多いけど、魅力的だったと強く思えた一作。こういう作品に出会うためにマイナー作品掘ってる。どうにも作品の構造がわかりにくいので、長文感想で作品時系列の私の解釈を置いておきます。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

作品全体出来事を時系列順で
世界の番号は時系列順。
①神終1によって人間世界1が誕生。

②人間世界αで登場人物である葵はバッドエンドを迎える。芽衣は死亡。

③神様の世界1、葵が「先生」を担当。慎の暴走。葵が神様に選ばれる。(3章中盤)

④神葵2によって人間世界2が誕生。

⑤神葵2が人間世界2の登場人物である凛によって諭される。物語を削り、計画を作成。

⑥神様の世界2で終と秋の交流。以前の何があったのか、これから何をしていくのか凛先生から聞かされる。(3章前半)

⑦神終3が「神もどき終」の物語を書く。

⑧神もどき終がバッドエンドを迎える物語を一万回書くことで、神様として書かなければならない量をクリアする。(2章)

⑨規定量をクリアしたため、神終3は9/17でエンディングを迎える葵が残した物語を書く。

⑩神様世界3で秋が葵から今までの出来事を教えられる(3章後半)

⑪神終3は次の神様に秋を選び、ようやく2人は再会する。(3章終盤)

⑫神秋4は幸せな物語を書き続ける(エンディング直前~エンディング後)


3章で描かれる順番は、物語の時系列順ではないというのがポイント。自分はこれに気が付かず、ドツボにはまった。
3章前半で終と秋が交流する「神様の世界2」が最重要な世界。上で言う⑥。
この世界には葵がいない。葵は人間世界2で登場していたが神様でもあったので、神見習いとして登場することがなかった。秋の記憶にいるにも関わらず、葵が登場しなかった理由が解決。

人間世界2では、終には愛した人がいて、その人を病気で亡くしている。
神様の世界2で秋が書いた物語(=人間世界2での出来事)は「男の子と女の子の恋の物語」で「女の子は病気でいつか死んでしまう」。秋が死んでるのに神様の世界2に登場するのはおかしいという矛盾の発生。葵によって神様の世界2が始まる直前に物語の終盤が削除されたことで、バグのような形で秋が神様の世界2に登場することが出来た。

凛先生の「長い、長い一日の恋の物語、となるのでしょう。バッドエンドを乗り越えるために。来ないはずの明日を迎えるために」という、終のこれからすることを知っているかのようなセリフ。葵と凛先生によってハッピーエンドを迎えるための計画が作られたので、これからを知っているのも当然。
夕方、屋上で話す終と秋。凛先生からの提案を受け入れた終なので、「『明日』葵から聞いてほしい」という言葉が出てくる。

⑥が一番大事なところで、告白を最後まで聞くことが出来ず、「明日」と言って別れる。この物語の大目標の確定も⑥。


作品構造がわかりにくいせいで、作品紹介の「これは長い、長い一日の恋の物語だ――」。ジャンルの「君と何度でも恋をする恋愛ADV」。歌詞にも出てきたりする、長い一日、何度でも恋をするという部分が直感的に理解できなかった点は正直もったいない。
ただ理解できなくても、音楽や演出の力で強引に感動に持っていってるのは嫌いじゃない!


ああだこうだ書いた感想は私のブログの方に書いてあるので、そちらのリンクだけ貼っておきます。
https://miyato102.blog.fc2.com/blog-entry-21.html