ペアで言うと白兎、玲亜組が好きです。
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自ブログと同内容になります。
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ALcotライブをきっかけにやってみようと思った作品。玲亜というキャラクターが非常にツボで、主人公と玲亜の関係が変わっていく流れ、恋人という仲になってからのエロにただれた生活、などなど非常に良い点にあふれていた。間違いなく"エロ"ゲをしていた作品であった。エッチシーンとして描かれる場面は7であるが、作中でエッチをしているという描写はそれよりも多い。個人的にこれがツボである。シーンとして用意をしなくても、エッチをしたという描写から妄想力で補完して楽しむことができる。こういうエロゲが増えてほしいと願うのは罪だろうか?w
個人的にとても評価したい部分が二つある。一つ目はプロローグにおける選択肢だ。ほぼ何の情報も与えられていない状態で選択する3つのこと。これにより主人公二人のうちどちらのルートに入るのかが選択される。選択肢が出ている時点でプレイヤーが選んでいることは確かなのだが、これについては「プレイヤーが気が付かないうちに選ばされている」ということを言いたい。その選択肢により起こることを想像し、考え、選択するのではなく、その時の気まぐれと言ってもいい選択により決定すること。選択肢の使い方として非常に面白かった。
二つ目はオープニングの使い方である。OPには5種類あり、一つは公式でWebに公開しているもの、そして玲亜編で二種類、莉織編で二種類だ。章毎にOPが入る形式はTVアニメーションのようであるが、このやり方だと物語が進んでいく毎に歌詞がプレイヤーの身体にすんなり入ってくるようになる。この作品ではそれだけでなく、3章からはOPの歌詞が2番になることで、OPがより作品へ寄りそう形となるのも注目すべき点だ。そして、最も注目しなければならないのはOP間で語られるヒロインの心情である。これが話が進むことで変化するのは、OPの歌詞が2番になることと同じだが、このゲームでヒロインの心情が表立って語られるのはOP、章のラストの日記の二つだ。OPで語られるのは願い、希望、そして日記で書かれるのは結末だ。グッと来るものがある。
この感想を書くために全てのOPを見返していたが、玲亜編のOPラストのセリフは「恋してる……」から「あなたを溶かす、温もりになりたい……」なのだが、莉織編ではこれの逆で「温もりになりたい……」から「こんなにあなたに、恋してる……」へと変化している。これは主人公二人がどこに壁を作っているのかがよく分かる変化だ。白兎は心の内に壁を持っており、恋の先に壁を壊すことが必要になる。そして夷月はわかりやすく周囲に壁を作り、その壁を超えた先に恋愛があった。この主人公を端的に表す描写には気がついた時に惚れてしまった。
ここからは少々作品の構成について話してみると、物語が集束する地点があやふやだったという感覚がある。前提として過去の事件という原因により、二人の主人公の間には隔絶が存在している。普通のシナリオならば、この問題を解決することを終着地点として用意し、そこに至るまでを描くことになる。実際に白兎、玲亜シナリオでは、主人公の抱える問題の解決というシナリオ運びになっている。
だが夷月、莉織の終着地点は莉織が抱える問題の解決である。もちろんこちらのシナリオでも主人公の問題に触れはするが、触れているだけという感覚が強い。シナリオ冒頭で莉織が抱える問題を提示し、こちら側のシナリオでは何を問題とするのかを提示しているため、シナリオの構成自体は間違っていない。だが腑に落ちない部分があるのも確かだ。そもそも一番初めのプロローグで家族の問題を取り上げているために、終着点を勘違いしやすい。
この問題は二人の視点が存在するため、片方で主人公側の問題を説明し、解決するルートを作ってしまったらもう片方で同じことができない(片方をプレイすることが、もう片方のネタバレとなる)ということに起因する。主人公が抱える問題をグランドルートとして描く場合があるが、今作でもその方法を使えばわかりやすくまとまったという気はする。また、原因については共通で説明し、解決方法を二通り用意するということもできるだろう。一番簡単な方法では攻略順序を固定させるというものだろうか?