シリーズ完結に感謝を込めて
あくまでもシリーズ全体を考慮しての点数。正直作品単体の出来なら虚>>殻>=天だと思う。
気になった点としては、前作に比べて事件謎解き部分の構成や盛り上がりがイマイチなのと、散々引っ張った尚織関係のオチがショボい点があげられる。静の方の事件は一周目やっている時は「なんか雑だな」って思ったが、二周目込みで考えると良かったと思う。ただ後半の方に関しては犯人の動機が弱いのも、犯人や尚織に至るまでのとんとん拍子具合も少し残念だった。特に尚織に関してはあれだけ引っ張っていたかつ玲人と真崎と大きな関わりのある人物なのだからtrue endのどこかに正式に入れて欲しかった。ただ一方で六識、尚織、色羽の全ての結末を壮大に描くと、どっちつかずでグダった可能性もあるから難しいなぁと思う。
色々言ってきたが、それらの不満点を全て帳消しにできるくらい良かった点も多かった。
途中頓挫が多いこの業界で三部作(カルタグラ含め四部作)をまとめ切った点、変にファンタジーやご都合主義に走らず時坂玲人の物語を綴り切った点、今まで以上の圧倒的なCG、そしてラストシーン。ミステリーものかつファンタジーのない物語の最後の盛り上がらせ方と締め方は本当に難しいと思うが、今作の締め方としてこれ以上ない素晴らしい物だったと思う。
最後にInnocent Grey様、この素晴らしい物語を作って、そして完結させてくださり本当にありがとうございました。彼ら彼女らと出会えて本当に幸せでした。
巡り、春はまたやってきます。