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minuさんの最果てのイマ フルボイス版の長文感想

ユーザー
minu
ゲーム
最果てのイマ フルボイス版
ブランド
XUSE
得点
100
参照数
854

一言コメント

ストーリー前半は気合で耐えて欲しい

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

■シナリオ

<<聖域編>>

 このゲームにおけるマイナス点。
 社会規範、心理学的なテーマを投げかけていて、その部分は興味深かったが、反面キャラ同士の会話は退屈だった。
 (沙也加ルートの茶道は笑えたが、葉子は電波すぎた)
 正直、魔女や都市伝説等のオカルトチックな要素が無ければ、読み進めるのは困難であったと思う。
 また、初回プレイ時では全体像が掴めない為、意味不明な点がある。
 下記2点については考察サイトに頼った。

  ・笛子ルートの全容
  ・各ヒロインルートにおける時系列(戦前と戦後のシナリオの区別)

 これだけが理由ではないが、とにかく冗長で読み進めるのにかなり苦労した。
 が、「503 Service Unavailable」の演出にwktkしたのも事実。

<<戦争編>>

 聖域編とは打って変ってサイバーな展開になる。
 ゲーム中の有機ネットワークの構造については、実際のインターネットの構造が元になっているのですんなりとのめり込めた。
 主人公が意識階層の深部へと潜っていくシーンはこの作品のピークであったと思う。
 また、OPの最後の台詞(「配列されますように…」)の意味が分かるラストが、自分の中であまりに綺麗にストンと落ちてしまったので
 総合的なこのゲームの評価は一気に100点になっている。(聖域編のマイナス点は帳消し)
 その後のエピローグが相変わらず冗長で長かったけど。
 これは文中のハイパーリンク含めて、トリック以外の設定部分はきちんとゲーム中で説明するというライターの姿勢と受け取った。

■CG

キャラクターデザインは良いと思うが、基本的に人体のパーツが描けていないので下手さが目立った。
例えば、葉子の武術シーンはギャグにしか見えなかったし、ジーンの立ち絵は向きが変わると別人になるし、
各ヒロインのHシーンに至っては「誰だよこいつ」と思うことが何度かあった。
人によっては生理的な嫌悪感を抱くタイプの絵でもある。
しかし、このゲームの雰囲気には合っていたと思うし総合して不満はない。

■音楽
ピアノ主体。どうやらサティは人気らしい。
BGMでは「穏やかな風」が使用される機会も多く、記憶に残っている。
ボーカルではOPの「a far song~ カナタノウタ~」、戦争編でOPが流れた時は鳥肌が立った。


あまり関係ないが、このゲームのハイパーリンクで語られてた知恵の輪に興味があって
キャストパズル エニグマを買ってしまったw