世界の理不尽さ、残酷さの描写に関しては天下一品。見せ方が最高で、極上の絶望を味わいました。特に二章終わりから三章序盤の流れが素晴らしく、この神部分だけでもえらい評価をあげたくなります。
・シナリオに関して。
主人公は選ばれた勇者では無かった。
誰でも当てはまる生贄にすぎなかった。素晴らしい種明かしです。
善良とは何か。犠牲とは何か。幸福とは何か。大きな絶望を味わいました…哲学ですわ…。
・キャラに関して。
女癖悪くて誠実とも思えない行動を良く取るものの、根は善良な主人公。
皆大事で、皆大好き❤という感情に性的な意味を持たせるからこそ下衆に見えてしまう彼。
周りの迷惑考えず空気読まないことも多々ですが、それも彼の中の善良を優先した結果って考えると、色々面白い特徴だと思い得ました。
ヒロインの中でしたら、マリアが一番好きです。
性格は全然好みじゃないんですけれど、彼女の思考回路だったり、雌として主人公に思いを寄せる様が愛らしかったです。
主人公への長年に渡るひたむきな思いを見せる所とか、一人で泣いてる所とか、マリアの心情を表すシーンの挟み込みが絶妙で、卑怯で、俄然応援したくなるヒロインでした…。
苦労な性分ですが、負けないで主人公のこと支えてあげて欲しいと思うものの、その頃主人公は持ち前の気の多さで、他のヒロイン達を遠慮無く食い漁っているのですけれど。
大切な存在であることに変わりは無いけれど、一番の存在にはなれない女の子って立ち位置には、同情してしまいます。
まあ、その後、さらにマリアにとっては凶悪な展開が訪れた訳ですが。
世界に影響を与えることができる条件を持った人間しか先に進めなくなった。
↓
パーティーの内、マリアだけがこの条件から漏れた。
でもマリアは、一緒に行きたいと言う。
↓
勇者の子を孕めば、母体扱いで一緒に行けるんじゃね??
↓
つまりそういうことだ。
いやあ。
これには、目ん玉ひん剥きました。
いっっっっっっちばん苦労負ってて、女の子に対し軽過ぎーのすぐ手ー出しーのな主人公のことで悩まされてた彼女が、ここにきてこんなハメになるというかハメられたと言いますか。
彼女の人生は、主人公に捧げられたに等しく。
自己犠牲ではなく、主人公への恋慕が一応は中心になっているので、まあ、マリアが幸せなら片付くお話ですけれど。
幸せ、とは……ハーレム、とは……。
とにかく、開いた口が塞がりませんでした。
最初の射精までのシーンが短かったから予感はしていたのですが、赤ちゃんできるまでひたすら何回も頑張るパターンに突入した時に覚えた居た堪れなさは、簡単に忘れることもないでしょう。
ナヨナヨだけど性欲は強いLeafの主人公と、容赦無いエロシチュを躊躇いなく持って来るアリスソフトのコラボみたいなもんか…と、一人賢者になっていました。
エロゲーに置いて女性の妊娠というネタをシナリオ内で扱うにしても、まさかの見せ方過ぎて、自分はますますメギドのことが好きになりましたとさ。
・RPG要素に関して。
合間合間に挟まれるADVパートがそこそこ長くて、常に早く旅に出たい症候群を発症していました。
マップ自体はかなり単純で、しかも最初からマッピングされていたこともあり、さくさく進めることもできました。
ただ終盤に向かうにつれ、その雑魚的の強さがどんどんやばいことに……。
こっちのHP150くらいしかないのに道歩いてて出会うモンスターから、平気で半分以上のダメージとか食らうんで、ほんと、早期に戦闘終わらせないと死ぬwwwww死ぬwwwwwの連続でした。
ラストダンジョンでは、エンカウントした敵の半分以上からは逃げてました。
それくらいギリギリでした。
基本勿体無い精神で、RPG遊ぶ時は魔法使いに回復魔法しか使わせないプレイを多用していたのですけれど、メギドはそんなこと言ってられないくらい敵が強いので、しこたま攻撃魔法も乱用しました。
こんなゲーム初めてでした。
凄く健全なRPGの遊び方をしている気がしました。
難易度優しいでコレで、二週目以降は難易度難しいも選べるようになるらしいですが周回ボーナスだったり引継ぎは一切無いみたいで、これが本当の鬼畜ゲーか…と思わず頭を抱えてしまいます。
武器の改造に関しては、小まめに強くさせとかないと雑魚モンスターにも余裕で殺されてしまうので、かなり気を使いました。
防具という防御力を補正する装備も存在しないので、冷や汗が止まることもありません。
きついと言えば、本作は俗に言う金銭を支払ってHPやMPを回復させる「宿」みたいな場所が無く。
その変わりの回復ポイントは利用するために特別なアイテム必要で、それ以外でのHP回復はアイテムか魔法なのですが、MP回復アイテムは序盤で手に入らなくて、ここら辺色々と無理ゲーでした。
レベル上がった時に全快すんのだけが、救いでした。
あ、セーブポイントでないとセーブできないシステムが苦手だったのですが、随所にワープできるのはとても便利でした。
セーブポイント=ワープポイントなので、ボス戦前に町戻って、武器を強化してまたワープでダンジョン戻ってって気楽にできたのが、良かったです。
自分がはまるRPGの条件的なもんで、攻略見なくても宝箱の取り逃しとか起こさないレベルで分かりやすいフィールド/マップ、飽きない戦闘ってのがあり、そういう意味でメギドはぴったり当てはまったので、楽しくプレイすることができました。
ちょっと雑魚的は強過ぎましたけど。
中ボス扱いの手ごわい奴が、倒した次の瞬間から道中でエンカウントする雑魚敵と一緒に現れるとか、あれ本当つらかったです。
・その他
Leaf絵師さんのキャラがパーティーに入らなかったのには、大変驚きました。
それ目当てで購入された方が怒るのは、仕方ないと思います。
宣材も、Leaf絵師さんキャラのがバンバン前に出ていた気がしますし。
せめてゲストキャラ扱いでいいから、パーティーに入ってくれていたら…。