無理の無い展開に、文句のつけどころはなし。でも、爽快感と呼べるようなものは皆無。トゥルーEDにはただただ度肝を抜かれた。
事件への導入部分だけでも、引き込む要素が大変強かった。
陰鬱な事件、二人の犠牲者。
調べる気満々な委員長に引きずられる形で、主人公は校内パトロールをやらされることになる。
主人公が率先してやるという内容では、その意思をプレイヤーにも伝えなければいけないだろう。
そうでないと主人公=プレイヤーの思考回路が繋がらない。
その点、このゲームには委員長という率先して引っ張ってくれるキャラがいるので、彼女のキャラクター性さえ掴んでいればなんなく物語に入り込める。
とにかく、全編を通してテキストがとてもよかった。
非常に読み易く、文句を付け入る点がない。
ポップな日常シーンも非常に軽快で、だからこその落差というのもたまらなかった。
さらにこの評価は、自分の場合話の全貌が語られるトゥルーEDで鰻上りになった。
女同士の戦い。
嫉妬の醜さ。
主人公が直接的に全く介入してこない世界で起こった、ひとつの事件。
それが、今回の悲劇に繋がったということ。
救いなんて、ない。
主人公には最後まで知らされない事実故、尚の無情を感じた。
このシナリオを見た後はやり場のない怒りだけが残った。
結局は誰が悪いのか?
ヒロイン達が陵辱されたことに対する怒り、犯人への憎しみ。
しかし語られた真実により、その感情を当てる場所というものが根こそぎ奪われた。
あまりにも、無念。
ここまで感情移入できたのも、主人公の共感できるキャラクター性と話の構成のうまさかと思う。
最初の犠牲者は、はっきり言って主人公には関係ない二人。
主人公等は事件の蚊帳の外、噂話を聞いて性質の悪さに顔をしかめる程度。
ただ、それが身近な彼女の身にも起きてしまったら話は別である。
結局は犯人を捕まえることもできないし、主人公もトゥルーではその犯人に制裁を加えられる。
・・・美少女ゲーでは異色のエンド、しかもこれがトゥルーEDって一体。
ただ、このトゥルーEDで肝心の主人公ばぶっ壊れたタイミングは、不可解だった。
主人公に植え付けられたらしい狂気に種というのが、何のことなのか。
時々聞こえた不気味な音、あれに洗脳なり何なりという効果でもあったのか。
不思議だった。
しかしまぁ、このゲーム。
色々な方も指摘しているが、多々ある問題点として難易度が高すぎるというのがある。
一つでも選択肢を外したら、即アウト。
おかげで何週したか覚えていない。
総当りで場所移動のシーンを全て毎回見なければいけないのも、七面倒だった。
繰り返しプレイが苦痛ってレベルじゃない・・・。