求めていたエログロナンセンス方面のネタに関しては、そうきたか！！という新鮮な驚きがあった。視覚周りの演出の凝り方、BGMも繊細さと重厚さの組み合わさりが最強だったりと、一つの作品としてしっかり完成されていたなぁという印象。ただし悲惨な事実の描写に対し、表現や描画自体はかなりあっさりめ。読後感もかなりあっさりめ。ミドルプライスだしこんなもんか、程度の小粒さは否めない。
双子の両親による近親相姦から産まれた奇形児のヒロインが、（恐らく）長野にある田舎の村で忌み子として飼い殺されていたという、文字面だけでこんなにもおぞましい設定。
パパことおじさに深紅がいたずらされていた時の描写が、CG含めもっとねちっこくあったら、それは誰も幸せにならない最高の悲惨を味わうことができたでしょう。
しいて言うなら、そういうのが欲しかった。
しあわせ合戦に関しても、ボコった結果のCGは毎回欲しかった。
残忍さを魅力にできる設定を作った割には、そこを推してこなかったので、事象の様々をフーーーーーン？？と軽く流せてしまう。
エリーゼの主人公が見せた破壊衝動や、さよ教の人見先生が救いを求めた狂気の先のような、エキセントリックさが足りない。
全編を通して物足りない。それに尽きる。
幻肢という、疑似欠損みたいなインパクトある描画を楽しめたのは、最高だった。本作の一番の魅力だろう。
とは言えサービスシーンに関して、イベントCGにカットインのスチルを重ねてしまうと、肝心のスチルが見えなくなるのは惜しかった。
カットインを入れるにしても、せめてモザイクがかかっている性器周りのとこは、外して欲しかった。