いい意味で前作を引き継いだところもあるのですが、そもそもシナリオ構成が粗雑なので高評価は全くできない。仲間達とわいわい過ごす共通ルートは魅力的でした。その後は割とカス。以下の感想は、前作のこともちょいちょい記述しています。
前作で表現されている、主人公である稟くんに出会ったことが人生の中で救いになった、その過去に縋ってここまで来た的なシア、ネリネ、楓と言う激重ヒロイン三銃士の濃さをトレースするようなヒロインがいなかったので、何か爽やかでした。強烈な好感度MAXオーラの圧を初っ端で受けたあの頃が懐かしい。
それでいて結構平等にハーレムな雰囲気を中盤まで引っ張ってくれたのは、作中に漂う空気含め好きな部類でした。
高評価が全くできない詳細について。プールとか合宿とか、同じシチュエーションを使い回してわざわざ全ヒロイン分のテキストだけ別のものを用意するという、謎の労力のかけ方がひたすら疑問でした。よくこのシナリオ製法でゴーサイン出しましたね。センスが無さ過ぎる。共通ルートならまだしも、目新しさのない間違い探しで個人ルートの尺の殆どを埋めるの、せこいなぁっていう印象しか抱きませんでした。
また、悲しかったこととして。センセーショナル要素だったWヒロインによる「決別」と「お命頂戴します」が中盤で茶番として片づけらてしまったことは、とにかくテンションがただ下がった要員の一つです。詐欺じゃないですか。決別の意志を捻じ曲げるくらいの熱い大恋愛を期待しましたのに。命を奪う覚悟に揺らぎが出てしまうようなせつない葛藤を夢見ていましたのに。
攻略順はリシア→琥珀姉→リムス→ネリア→きらら。
ビジュアルはリシアが好みでした。シナリオ含めればリムスが好きです。
以下、ルート感想。
・リシアルートを遊んだ感想
終盤で語られた、合法ハーレムできる設定だったのに前作の主人公である稟がハーレムを形成しなかったことに、大きなショックを受けました。
他ヒロインルートだとまた稟の選択も違うのかとかそういうのばっか気になって、世界線の固定を話題に出してくれるなら数多のifに期待はできるのかどうなのかと、邪念に塗れながら遊んだ思い出です。
大手を振って平和なラブコメをできる設定があったのに、シリアスで纏めたんですね的な。
父ちゃん母ちゃんという身内が危機なタイミングで、回数ノルマ的なリシアとのベッドシーンが挟まれたのは素直に不快でした。
もっとサービスシーン入れるタイミングあっただろ的な。ラブラブ期間の尺もっと延ばしてそこに捻じ込んでくれ的な。
・琥珀ルートを遊んだ感想
前作主人公がひたすらお世話される側だったのに対して、今作では主人公をお世話する側に回したのは機転が効いていると思いました。
とにかく受動的な印象が強い稟くんに対し、ライトくんは自分からガンガン行動に出るので、お話もサクサク進みます。
琥珀姉ver2.0は百点満点に可愛かったです。
ただ尺がそもそもないので、琥珀姉とゆったり両想いを楽しむ暇もなく、何か終わったみたいな。
きららが主人公に惚れていた下りについては、琥珀先輩への友愛より主人公への恋愛の天秤を傾けたみたいな印象を受けたので、ちょっと好みじゃなかったです。
(そういう意味で琥珀先輩のことをリスペクトする強い描写があるきららルートは好印象です)
・リムスルートを遊んだ感想
ここで終わるのか!という気持ちがないわけではないのですが、リムスの事情として大きな問題がここで片付いた!と考えれば、バランスはいいかなぁと。
素直で家事のお手伝いもよく買って出る、出来のいい娘みたいな可愛さのあるキャラでした。リムスルート以外のリムスはマスコットキャラ的な愛らしさもあり、看板娘ポジとしても非常に秀逸。
子供のこととか、彼女ならではの設定を絡めた恋愛シチュの組まれ方も、好感触です。
・ネリアルートを遊んだ感想
お命頂戴の意志が張り付いてからの、ネリアがクールキャラに変貌した展開自体はよかったのですが、そもそも悪い意味で尺が短いんですよね。お話自体の。瞬きしたらエンディングクレジット流れたみたいな気持ちになりました。
リムスルートのような充足感を得られなかったこともあり、この後もう一展開あってよかったくらいです。ボリューム不足による層の薄さを一番体感したルートでした。
・きららルートを遊んだ感想
王さん担当キャラということで期待はとにかく高かったです。
日常シーンの掛け合いの楽しさは百点満点。
直前に遊んだのが消化不足で不満たっぷりな読後感のネリアルートだったため、きららの物語としてはしっかりボリュームのあったこのルートは好印象です。