推理ものと呼ぶには乱暴な、砕いた事象の欠片をテキストへさりげなく混ぜ込み日常描写と一緒に流していくスタイル。1周10分で終わるので、それだけで遊ぶのを止めてしまう人には、高い買い物になってしまうかも。ランダム要素があり、繰り返し遊ぶのが必須となっているため、そういったギミックが好きな人にとってはたまらないと思う。
ラストではなくて本編シナリオの方の面子は、澪が固定だとしてぴっちょん+マキシ、ぴっちょん+ゆに、ゆに+マキシのパターンで全部だろうか。
主人公が射殺相手として選んだ面子に関して、神の望むまま的なランダムだよ~という主人公の主張は大公のおっしゃる通りある種の意図で澪が外されていた可能性が、この結果を見るとより高く思え。それが無意識の贔屓だとしても。
マップ移動型ADVでもないのにガチのランダムというギミックを持ってきたことにより、更に皮肉的な解釈もできる合わせ技は、素晴らしいかと。
作品の売り方としては、尺と情報量を考えれば500円で販売するよりも無料の体験版として公開した方が人の目につくのでは、と思う反面、分割商法というより連載型のような印象も伺える本作が如何にして資金を回収していくかを考えれば、微々たる徴収だとしても確実に収益を積める方法を選んだのは、商業作品として販売したクロノボックスの売上が何らかの影響を与えたのかなあとも、邪推しつつ。
発売される商品に対し、ブランドのファンは確実に金銭を支払うだろう。
c-enへ登録していることから、もっと思い入れの強いファンは別途の寄付も行える。
その他の事情ならともかく、資金が尽きることが原因となって未完となってしまう悲劇は、ユーザーからのファンコールで食い止められるかもしれない。
私も最低限ではあるが、まずは10月に発売される新作も、販売されたらすぐに購入したいと思う。