収録されているシナリオの数で言うならば、リベリオンズの方が圧倒的にコスパはいいけれど、内容の質も、設定も、「ゲーム」としての在り方も、コードリバイスの方が断然好みでした。リベリオンズだけの方で、うん、まあ、面白かったわ(笑)程度の感想以上を持たれる方には、是非、コードリバイスも遊んで見比べて欲しいと……リベリオンズは、コードリバイス前提のキャラ萌えゲーという印象です……ただしこれも好みの問題でしょうし、世評ではコードリバイスよりもリベリオンズの方が人気なのかもしれませんが……。(シリーズのファンですので、評価自体は甘めにつけています)
コードリバイスではモブ状態だったキャラにスポットを当てているBルートは凄く良かったのですが、新規最終ルート関連には嫌悪を持っています。
コードリバイスが好きだった身としては、両方遊び、是非見比べて欲しいと思いました。
以下、コードリバイスやシークレットゲームのネタバレの含んでの詳細な感想なので御注意ください。
・コスパという意味で
収録シナリオ二本のコードリバイス。
収録シナリオ五本のリベリオンズ。
どちらもフルプライス。
やり応えという意味では、リベリオンズの方が勿論満足度は高かったです。
ですが切り捨てられたコードリバイスの要素の方が、自分は好みでした。
・リメイクに辺り変わった要素、失った要素について
①R18シーンについて。
コードリバイスでも発生していた修平と琴美、司と玲のR18イベントですが、リベリオンズではシチュ違いの完全新規シーンとして収録されています。
コードリバイスからの使い回しではなかったので、このカップルお好きでしたら、コードリバイス収録のシーンも是非。
また、修平と瞳、真島とまり子のイベントはコードリバイスでのみ発生するので、こちらも是非。
②コードリバイスのファーストルート、リベリオンズのAルートについて。
メインのシナリオ軸は変えず、細部だけが弄られています。
実際に見比べながら遊びましたが、コードリバイス収録のお話の方が好きです。
コードリバイスではダークヒーローを貫いた修平が、リベリオンズですと改心します。
トリガーは黒河の存在であり、コードリバイスですと負傷した黒河へ拷問のような責め苦を浴びせた上で、修平は彼を殺害します。
それでも拭えない心の傷に、修平は深く絶望します。
リベリオンズですと、真っ向から黒河と争ったことで、修平の心境にも変化が起こりました。
修平の内面は瞳への接し方にダイレクトな関わり方をしていて、彼女を切り捨てたコードリバイス、彼女を救ったリベリオンズと、正反対の結果が産まれていたのが感慨深かったです。
司周りはほぼそのままでしたが、司脱落の時点で初音が生存していたことで、玲の未来が変わりました。
コードリバイスでは玲に切りつけられ、崖から落ちた初音は、そのまま大祐に首を絞められ殺害されます。
初音の黒化は、それこそBルートで本領を見せかけていたので、わざわざAルートを改変し玲を手にかける必要はあったのかな?とは思いました。
初音自身、マーダーとして特別活躍させて貰えていた訳でもございませんでしたし。
初音と充の関係を匂わすフラグを作りたかっただけなのかな、と、邪推したくなります。
まり子を間島と組ませず、悠奈と結依のコンビに入り込ませたのは、意外でした。
悠奈と結依の魅力として、百合百合風味な二人の世界が出来上がっていたことを自分は上げていたので…。
・Bルートについて+α
本作の戦闘描写ですが、淡々としていて非常に見ごたえが無かったです。
基本圧倒的な暴力で相手をねじ伏せるだけか、不意打ちを狙っての殺害展開だったので、これで上手い具合の策略がたくさん機能してくれていたらまだ良かったのですが、そういう駆け引きも特別多くは無かったので、とにかく人数の減らし方が地味で仕方ありませんでした。
銃弾を弾けるようになった瞳の無敵っぷりは、素敵でした。
Bルート終盤の、二回起こる黒河チーム対瞳チームの争いは、大変好みでした。
反面、玲はどうしちゃったのでしょうか。
彼女の実力を持て余した結果の、刀没収しまくりシナリオなんでしょうか。
これはBルートだけでなく、CやDでも言えるのですは。
剣術としての才が溢れる玲の魅力が、リベリオンズには全く備わっていません。
がっかりです。
黒河の追加設定に関しては、元々コードリバイスで彼が空気系噛ませ犬扱いだったこともあり、活躍するに等しい美味しい設定いっぱい着けて貰えてよかったねと、素直に嬉しく思えました。
一介のチンピラでしかなかったコードリバイスの黒河も、過去に色々あった今の感傷的な黒河も、どっちも好きです。
初音に関しては、Bルートの中盤くらいで語られた「キラークイーン」というキーワードを与えられている追加設定が非常に美味しく、それに合わせPDAも強化され、彼女の立ち回りには物凄く期待しておりました。
まあ、その期待は、ぽっきりと折られてしまったのですけれど。
初音タイプの、内から入り込んだグループを壊滅していける設定を持ったキャラも、結局その手の暗躍に走ることもできず、圧倒的な暴力に負けてしまい。
あっさり退場してしまい。
「キラークイーン」という大層な謳い文句を背負ったからこその、それに見合った出張りが、初音には欲しかったです。
本作の主人公は修平であり、群像劇だからこそ彼だけが目立つ物語の構造にはなっていないものの、存在感という意味で修平はかなり目立つ人物として描写されています。
コードリバイスでは、そう言った出張れるキャラだけが出張った結果の、そこそこ派手な盛り上がりのあるシナリオが展開されていました。
リベリオンズは、そこら辺の物語の組み立て方が非常にお粗末。
Bルートで最終的に残った面子は、Aルートの次回予告で煽られた春菜でもなければ、キラークイーン初音でも無く……ただキャラ立ては決して悪くなかったので、空気キャラが残った等という感想を抱きはしませんでしたけれど……リベリオンズ収録のお話では、Bルートが一番好きですけれど……。
どうにも、パンチ力が足りませんでしたと。
・CルートとDルートについて
CルートDルートには、批判的な意見を持っています。
そもそもシークレットゲームで乱発されたエクストラゲーム等、元から敷いている明確なルールの垣根を越え、ゲームを主催する側の意向で敷いたレールを脱線させるのが、凄く、好まないと言いますか。
ゲームを運営する側の都合による特異を、強制発生させる展開に、大きな不快を抱くと言いますか。
それでゲームの根本を揺るがされてしまうと、「ゲーム」として謳う意味が無くなると言いますか。
決められたルールの中であがき、様々な方面から打開策を練ろうとする姿勢を持つゲームの参加者っていう力関係のバランスがかっちりしているのが、好きなんです。
キラークイーン→シークレットゲームの時も、参加者同士の争いメインだったはずが、最後ゲームを主催する側に牙を向くシナリオへシフトしていったので、今回も嫌な予感はあったのですが……見事に当て嵌まり……。
リピーターに指令を与えれば、運営が手駒として参加者を利用できるということ。
シークレットゲームの郷田や渚のような、ゲームメーカー的立場を与えられているキャラなら、ゲームを盛り上げるためにルールの裏で何かをするという権限を持っていても、何の不思議も抱きません。
しかし今作で言うリピーターの立場は、あくまで参加者個人に何かしらの利点があるからゲームに参加するだけであり、ゲームそのものを盛り上げるためのパフォーマーではありません。
彼女達は、運営の手先ではありません。
(瞳に関しては、「組織」というゲームを主催する運営側に何やら接点がありそうな関係を匂わせる描写はございましたけれど)
あ、瞳と言えば、彼女の変容は凄くよかったです。
修平、琴美との家族ごっこ大変可愛らしかったです。
夫婦みたいなテンションと言えば、修平・琴美だけでなく間島・まり子も大変可愛らしかったです。
・その他感想
序盤からやたらゲームの危険性を煽る描写が多く、のほほんとした空気が一瞬で破壊されたコードリバイスのテンションが非常に好みでしたので、残念でした。
また、Bルートの感想の所でも少し記載致しましたが、リベリオンズは全般でこいつどうなるの?!っていうキャラ性を持ちあげた後、すぐにその該当キャラを殺してしまい、しかもそいつも難なく殺されてしまうので、何か色々勿体無かったです。
盛り上がりに欠けました。
個性として良かったと思える所だったら、シークレットゲームと違い、リベリオンズは首輪が「外れない」こと前提でシナリオが成り立っていることですかね。
条件クリアしても、おめでとうございます~爆破しないよ~ん^^って言われるだけで、首輪自体は装着のままだから、ある意味任意で運営側からは爆破できちゃいな雰囲気で。
首輪への拭えない危機感、保たれる緊張感。
そこら辺のおどろおどろしさは、好みでした。