殺されるかもしれないという恐怖は、殺されたという結果の感傷で打ち消されてしまいます。そこら辺の使い分けがお上手なホラー寄りの作品でした。どんなに薄気味悪いことが起こっても、挟まれるお祭りのシーンが華やかで、目を奪われるしかなくて。あのギャップもたまらなかったです。最高のノスタルジック。
導入である一章はフーンって感じだったんですが、
二章の感傷的な作りにやられて、
三章の女性向けらしい男の子同士の距離感に、対象としている層はやはりそちらの層、となり、
四章でおおっ?!新カプかな?!と震え、五章でまたやられました。
五章が一番キました。やばいでしょ。
サクッと短く綺麗にまとめてくれましたよやばいでしょ。五章が一番好きです。
平和な凡臭い作りの一章があったからこそ、映えた五章でした。
みんな同等である仲良しお友達グループだと思っていたのに、日常の象徴であるはずの仲間がところがどっこい。
仁が、最初から手が届かない場所にいたお友達だったっていうのが、二章とはまた違った素晴らしい感傷的な設定でした。
お友達として過ごした時間は確かにあり、楽しかった時間だって現実だったけれど、予定調和に囚われたまま終幕を向かえた仁の人生がただただ。
物悲しい、ともまた違うせつなさで、いっぱいになりました。ほんと凄いよかったです。