嘔吐だのげっぷだのコンクリートだの改造だの窒息だの、結構エロゲでは珍しい描写が多かったです。このようなど派手なプレイには、かなり魅かれました。閉じ込められ、残酷なゲームを押し付けられているという緊張感も終始強く漂っていて、はらはらさせられる物語も好きです。ただ、押し込めた要素があまりにも多すぎているので、いっそのこと章毎に分けた構成で細かく描写して欲しかったという思いはあります。ボリュームとしてはこのくらいがちょうど良いのですけれど、過程をあまりにもあっさりと流してしまっているのが勿体無く感じました。
euphoriaの主人公は、本当は女の子をめちゃくちゃにしたかったという欲望を抱えているだけの、ごく普通の少年でした。
実際にめちゃくちゃにできる場所を提供された主人公は、そこそこに開き直っているのでプレイ中はかなり弾けています。
ごめんごめんと表面で謝る事はできるけれど、実際自分は楽しかったのでそんなん誠意ないよねとかそんなノリです。
無駄に男らしいです。
でも申し訳ないという気持ちも、一応抱えてはいます。
そんな主人公にも、かけがえのない大事な幼馴染がいました。
彼女にだけは乱暴したくない、大切な彼女を汚してしまったら何かが変わってしまうと悩んでいました。
俺様鬼畜タイプではないこの主人公は、話の展開によっては性格も動きます。
歪みます。
欲望に流されます。
euphoriaはヒロインを悲惨な目に合わせることに全力を注いでいるので、そういうのが好きな方がかなりホイホイされているでしょう。
本当はもっとやりたかったけど倫理を管理する側に止められた！ と原画家さんも嘆いていました。
可哀想に。
罪悪感を抱きつつもヒロインめちゃくちゃにするのは楽しいと、全力を注ぐ主人公。
普通であって普通じゃない思考は、作品を楽しむ側の心もかなり抉っていくでしょう。
この主人公の造型は、感情の入りやすさが段違いなのです。
euphoriaはそこそこ人気が出ているので、今後もこの系統の作品が出てくれたら嬉しいなーと思います。
ヒロインめちゃくちゃも勿論見所でしょうが、こういう主人公が私は新鮮でした。
一見普通の主人公がやらかした鬼畜な事柄ってのが、私はツボだった模様です。