5月のダークホ-ス。想定外の面白さ。でも、埋もれた。
まずパケに惚れた。
diesiraeといい今作といい、パケが18禁に見えない。
表も裏もエロCG皆無で、パケがすがすがしいほど燃えゲーっすね。
こういう徹底ッぷりは嫌いじゃない。
ボリュームは十分。4+1ルート。
1周目は15時間程度。共通が結構長い。
2周目から個別4時間、グランド6時間程度。
コンプに35時間弱程度。
1周目は序盤から名前あるキャラ登場しまくり、モブキャラも登場しまくり、事件も起こりまくりで
事件とキャラ達が交差しまくり。ホラーっぽい。名前あると思ったら速攻で死ぬキャラ多すぎ。
次々と事件が起こってプレイヤーを飽きさせない。
ただ、視点や場面がころころ入れ替わるので、主人公視点ありきでシナリオが進行することを好む人には合わないかもしらん。
主役だけではなく、脇役の暗躍も満遍なく見たいって人には向いてるかと思われ。
特にアンヌルートでは、中盤に視点変更し過ぎて主人公影薄、ヒロイン空気、誰攻略してるんだっけってなりかけたくらい。
進行は中盤以降、戦闘→戦闘→戦闘と延々と戦闘の連続。
これぞ燃えゲーってくらい戦闘ラッシュだった。
以下項目ごとに雑感。
■システム・演出
システムは起動にもたつくのとバックログで突然停止する以外は問題なし。
起動はスペックの相性なのかしらんが、毎回、数分かかる謎仕様だった。
起動中は快適なんだけどなんででしょ。
まあ長時間プレイするスタイルなので、そこまで気にはならなかった。
後、バックログ中に2回ほど、強制終了したのでこまめにセーブしたほうがいいかもしらん。
演出はSoranicaEleのときより良くなってた。
エフェクトがスピーディーになった。
また、瞬間表示されることにより、疾走感があってよろしい。
詠唱のテキスト表示が中心の表示されたり、鮮血が画面全体に飛び散ったり真上から流れおちたり、
長い文章の時に左背景・右文章になったりと、細かい配慮やギミックがある。
過去作までにはなかった創意工夫がみられてグッド。
でもまだ弱いな。戦闘シーンの効果音や斬撃、立ち絵の動きをもっと追加してほしい。
後、台詞の吹き出しは微妙。
暗い作風に合ってない。
戦闘シーンが吹き出しのせいで若干チープな感じになり下がっている気がする。
まあ吹き出しはやってたらいつの間にか慣れたので、一概には否定できないかも。
■キャラ
主人公は最初から人間が出来ていて、かっこよくて強い。
普通に惚れるレベルだけど、何故かヤンデレに好かれることに定評があるトシロウさん。
やっぱり同族の匂いで釣られるのか。
近年のへたれ主人公と一線を画している珍しいタイプ。
最初から精神も肉体も強いダークヒーロー。
そして、恋人を殺されて復讐鬼になった陰惨な過去をもつというテンプレつき。
葛藤や戸惑いもするけど、全くイライラしない。あら不思議。
厨二キャラ最高。こういうキャラが主人公の燃えゲーはいいね。
ぶっちゃけ悩み迷いながら成長する王道の主人公や女の影でバトルの解説してる主人公より断然好きだな。
他各キャラ雑感。
ヒロインはぼちぼち。
シェリルは影薄。
トシロウの相棒。でも弱い。能力がしょぼい。サポート役。わりと空気。おばさん声。
アンヌは牙を隠した子犬。
自分のルートでは女の強かさを発揮。
基本はいい子です。
能力的に心許無い。
たまにぐれます。魔性の女になります。病みます。自暴自棄になります。
でも、ヒロインの中で精神的な成長が一番著しいのは彼女かな。
ニナは立ち位置的に色々と勿体ない。
ただ、能力的に弱いのでなんとも心許無く、後方待機で口達者なだけという印象しかない損な役回りだった。
力がなくとも上に立つ者の立場としてそうなるのは仕方ない。
でも、ヒロインをその位置に添えると、良い印象をもてなくなってしまったのは残念だ。
伯爵の血族としての強さも覚醒してくれればよかったんだけどなあ。
成長後の強かなニナを調教してその心をへし折ってやりたいと思ってしまったのは、俺だけですかそうですか。
アリヤはダンチで可愛い。
ヒロインの中で唯一戦闘能力が高く、即戦力になる。
最初は孤高の剣士かと思ってたけど、螢属性のキャラだった。
いやテンプレだけど、孤高の黒髪制服剣士って萌えるよね。
青山ゆかり嬢の熱演には目を見張るものがある。
青山さんってあんまり燃えゲーで叫びまくるキャラを演じないからわりと新鮮だった。
他キャラ雑感。
ケイトリンは、小物臭がひどい。
グランドとアンヌルート以外で無様な死に様を遂げていて微笑ましかった。
アイザックさんは全キャラの中で、一番輝いてた。
というかどのルートもヒロインよりアイザックに目が言ってしまうほど、目立ちまくり。
新旧の三本指事件の顛末は物語の中で一番面白いエピソードなんじゃないかな。
クラウスはチートキャラ。
おっさん、アリヤルートででしゃばりすぎだ。でも、燃えるから許す。
できればあそこまで狂信的に吸血鬼を廃する白木の杭へとなる過去を掘り下げてほしかった。
バイロンは中堅ボス。
個別ルートをやるごとに弱くなっていく可哀想な人。フタナリさん。
とにもかくにも、今作の戦闘は精神面の弱さが戦闘に影響する。
その弱点を体現するために登場したようなキャラであった。
でも一途な人って嫌いじゃないぜ。
ルーシーはこの作品の清涼剤だった。脇役だから光ってたのかもしらん。
でも、後半出番薄いよ、何やってんの。バーでもっと俺を癒してくれ。
ゴトフリやモーガン、ライラもそれぞれ見せ場があってよかった。
個人的にゴトフリ好きだったので、彼がもっと闘う展開が見たかった。
伯爵さんはラインハルトキャラでFA。
もうOHPからラスボス臭が滲み出てた。
藍血貴三人衆は、パラロスの三竦みのオマージュかと思うほどの出落ちっぷりで笑った。
設定的に中堅なのに、どのルートでも一撃死しかないなんて哀れ。これ絶対意図的だよね。
でもせっかく能力設定もあるんだから、もう少し戦闘や暗躍に絡めて活躍させてあげればよかったのに。
裁定者は初出では得体も知れない不気味なオーラ出てたし、トシロウと互角に戦うほど強かったのに、
後半はゴキブリみたいに出てくるやられキャラと化していた。
まるで某ゲームの序盤のMKⅡ強奪→終盤の敵MKⅡ小隊わらわら、経験値稼ぎみたいな感じだった。
■作風・原画
まず雰囲気いい。暗いどんよりとした作風。
ヴェドゴニアや鬼哭街等、初期ニトロを髣髴とさせる。
原画は泉まひるさん。
SolanicaEleで絵柄が燃えゲーに向いてないっていったように今回もちょっと微妙。
好きな絵柄なんだけどね。
思い返してみると、紅のときから絵柄をころころ変えてきているね。
男キャラはサブ原画らしいけど、伯爵のCGはもう少しなんとかならなかったのかな。
立ち絵の首筋から下半身へと広がるダークな雰囲気が滲み出ている塗りや影の付け方あたりはよかった。
■エロ
合計13シーン。フェラ→本番。
2シェリル
3アンヌ
3ニナ
3アリヤ
1マジェンタ
1ケイトリン乱交
エロは薄い。
ほとんど数クリックで終わるものばかり。
トシロウは早漏すぎた。
まあエロ目当てじゃなかったからいいですけどね。
■サウンド・ムービー
OPから既に溢れ出る厨二感。でもそこにしびれ(ry
BGMも良好。
戦闘時に流れるジャズというかテクノ風なBGMがあったりする。
暗い作風にマッチしている曲が多いので概ね問題なし。
プレイ後、PV見たけど毎度の如くひどいネタバレだ。
プレイの楽しみが減るので見ない方がいい。
■ED
面白さ
グランド>アリヤ>シェリル>ニナ>アンヌ
尻あがり。
個別ルートはアンヌ以外、全部俺たちの戦いは始まったばかりだエンド。
というか将来的にみると、個別は結局伯爵を倒さなきゃ全部BAD直行だよね。
グランドとアリヤルート以外、ラストバトルがバイロンなのが惜しい。
4つも個別ルートあるんだから、それぞれラストバトルの配置を変えればよかったのにね。
3ルート目あたりから、また最後はバイロンかって感じてしまうのが勿体ない。
ただ、アリヤ以外のヒロインに深い因縁があるのがバイロンなだけに外せないというジレンマもある。
バイロンに全ての因果を集中させるのではなく他キャラにも分散させれば、
個別ルートを進めるにあたってもっとメリハリができたかもしれない。
後、戦闘バランスが精神面にかなり依存している気がする。
油断、発狂、冷静さを失ってキレる→スキができる→死亡。
このパターンで実際の強さを発揮できない場合が多く、全力対全力の戦いがあまり見られなかったのが残念。
まあバイロンが冷静のまま、全力だったら伯爵以外勝てないっぽいから仕方ないか。
以下各ルート雑感。
・アンヌルート
1周目。アンヌ・ケイトリン吸血事件。バイロン・裁定者・人形関連。
ノーマルエンドっぽい終わり方だ。
アイザック死亡、ケイトリン死亡、トシロウと別離、藍血貴スルー、黒幕・人形逃亡・計画続行。
バイロンは裁定者化したら、途端に小物っぽくなって残念だった。これ絶対弱体化してるだろっていうレベル。
消化不良感が半端ない。
EPは数十年後でアンヌの死に際にトシロウが立ちあって終了。
アンヌは他ヒロインと比べて、個別ルート入っても空気だったな。
アイザックがヒロインかよって思ったくらいだ。
まあ不遇キャラってことでFA。
伯爵スルーはグランドルートまで焦らす意図か。
アンヌは恋愛関係と言うより御守り。
・シェリルルート
2周目。三本指事件。トシロウの過去、アイザック関連。
中盤までアンナルートと大筋同じ。終盤で分岐。
このルートの醍醐味はトシロウの過去編。
お決まりの過去の悲劇話とはいえ、やっぱり心打たれる。
モノホンの三本指まじかっけー。
アイザックの復讐鬼になれという誘惑に応じたことに歓喜したのは俺だけじゃないはず。
いや復讐破滅展開って面白いじゃん。普通なら、バッド直行だけどさ。
面白くなってきたと思ったら、ケイトリンが介入にしてきて萎えた。
いやあれでニナを殺しちゃったら後戻りできないのは分かるけどね。
選択肢でバッドエンドあってもいいじゃない。
後、裁定者と化したルーシーのその後はどうなったのかが、完全スルーという扱いのひどさに泣いた。
アンヌルートでも思ったけど、ルーシーとアイザックのイベント分が足りてない。
それにしてもまたもや消化不良。
あれだけ期待していたアイザック戦をスルーしてエンディングとは。
次ルート持ち越しですかそうですか。
シェリルとは恋愛関係というより相棒関係。
・ニナルート
3周目。ニナの過去、伯爵、ゴドフリ関連。
ようやく伯爵邂逅。
ルーシーはアイザックが3本指だということを知っていた。なんだってー。
アンヌの家族、終了のお知らせ。
俺的にはアンヌルートでケイトリンが家族虐殺すると思ってたのが杞憂だったので、
このルートでの家族惨殺は不意打ちだったな。
アリヤやゴトフリも死亡。前2ルートはわりと救いがあっただけにギャップが激しい。
このルートは主人公が情より忠をとって、非情に徹した点にしびれた。
優柔不断で一般人でもヒロインでもなんでも全部助けようとして失敗する主人公は、トシロウを見習ってくれ。
アイザックとの新旧三本指対決がようやく実現。
でも、正直シェリルルートでやってたほうが盛り上がった気がする。
いやシェリルルートの方がアイザックさん暗躍してたし、トシロウのボルテージもマックスだったからね。
にしてもバイロンがどんどん小物になっていって悲しい。
トシロウの一撃で絶命とか、気が狂っていたのを考慮してもあまりにも呆気ない幕切れだった。
ニナの宣誓の際、空気を読むバイロンには苦笑いだった。
伯爵は持ち越し。
ニナとは恋愛関係というより主従関係。
・アリヤルート
4周目。クラウス無双。
やばい。アドレナリンフル回転。
じいさん単体で吸血鬼勢ほぼ全滅。
とりあえず、じいさんがバランスブレイカーすぎて笑った。
おいおい、弱体化トシロウに負けたからそこまで強くないと思ってたのにどういうことだ。
全盛期はどんだけ強かったんだよと突っ込みたい。
覚醒アリヤはバイロンをザコ扱いするわ、じじいは無双だわ、
なんかもうパワーバランスが一気に崩れたけど、これはこれで面白いからいいか。
それでも無双状態のじじいを歯牙にもかけない伯爵どんだけー。
アンヌが逝ってちと悲しい。
アイザックが早とちりで呆気なく退場してた。
トシロウはやっぱり三本指状態の方が燃えるな。
伯爵との決着またもや持ち越し。
EPの長髪アリヤちゃんかわいい。
アリヤとは恋愛というよりライバル関係。
・グランドルート
5周目。ようやく伯爵の目的や人形の秘密発覚。美影関連も回収。
毎回、発狂してたバイロンが結果はどうあれ、伯爵の興味を惹けてよかったね。
アンヌがケイトリンに説教して怪物から庇ったところは今までのルートやった身としては感慨深かった。
また、クラウスによりアリヤの本音が聞けて良かった。
最終決戦でルーシーが登場したのは俺得だった。
アイザックのダークヒーロー厨二理論には全面的に同意した。男の子なんだからユメもったっていいじゃない。
最強だと思われていた伯爵も中身が空虚の器だったというのは面白い。
能力より信念や精神面に重きを置いている作品だけあって、この展開は必然なのだけれどもそうくるとは思ってもみなかった。
単なる力だけがすべてなのではなく、生まれ持った力より人の意志や信念で自分たちの運命を切り開いていくところがよかった。
にしてもグランドルートはアイザックと美影が2大ヒロインでいいよね。
アイザックは最高のライバルキャラだった。
主人公は死んだけど、想いも信念も貫けたのでこれでよかった、むしろこの結末が必然だったと思えた。
そう言える作品ってのも珍しいね。
■俺的厨二ランキング
SS伯爵、トシロウ
Aクラウス、アイザック、バイロン
Bアリヤ、ゴドフリ、藍血貴3人衆
Cライラ、シェリル、ケイトリン
Dアンヌ、モーガン、裁定者
Eニナ
以上
昏式龍也氏は次回作のプロットを早くも構想しているらしいので期待。
もうこのラインと正田崇氏のラインを2軸にして、燃えゲーメーカーとして固めていけばって思うくらい出来がよかった。