何度も挫折してはプレイ再開を繰り返し、発売から2年近く掛け、やっと終えた。終わってみると何気にかなりの大作・名作だと思う。
※大したネタバレはないと思いますが、とりあえず注意。
かなり時間を掛けてしまったが、最後まで諦めずにプレイして良かったと思う。
ぶっちゃけた話、序盤、いや、全体の4分の3程、要するに真ルートに入るまでは対して面白いと思えなかった。どことなく適当な順番でパズルのピースを手渡され、それを読み進めていた感が否めなかったのが何度も挫折しかけた理由だと思う。 だが、話の所々にまだまだ語られていない裏があるなという、気になる箇所がいくつもあったため、暫く時間を空けては何度もプレイを再開したりしていた。
シオンルート途中で一気に状況が一変し、その先が気になりだしたも、シオンルートが終わった時点ではまたも期待を裏切られたような気持ちになっては挫折仕掛けた。やっとのことで真ルートに入り、プレイヤーに与えられる情報が格段に増え、今までのことが少しずつ辻褄が合うようになりだしたあたりからは、一気に読み通すことが出来た。最後の方の、話のスケールの大きさがただ単に自分に合っていただけなのかもしれませんが。最後の方は、日本人ライターが書いたものではなく、欧米人のハードSF小説家が書くような展開に発展し、それがまたある意味とても新鮮に感じた。
プレイし終えた時点で、最後の方は何かと駆け足気味で簡潔させてしまったという感じを少し不満にも思ったが、よくよく考えてみると、話のスケールに対し登場人物たちのちっぽけさを上手く表現するのに一役買っている風にも取れるため、これはこれでOKなのではと思う。反対に初めからそれが狙いであったのではないかとの錯覚さえ覚えます。
エンディング後の文章を読んだ限り、何かと続編の匂いがしますが、それを抜きにしても、まだまだ気になることや伏線などが沢山存在しているため、続編が欲しいと思う次第です。とはいえ、このゲーム自体どれほど売れたのかは分からないが、売れ行きが悪かったが為に続編はなしとかそういうことになってしまうんですかね。或いは欧米小説家の、残りはKopfkino(脳内映画館)でご自由に創造して下さいということなのでしょうか。。。続編が出たらその時点で90点に上げても良いかと思っています。
戦闘シーン等は物理・化学に精通していなくては分けが判らない、或いは精通してれば尚一層楽しめるという感想を多く読みますが、私としては、戦闘の内容自体の話全体に対する影響は少ないものだと考え、大半は大体こういうスキルをこういった原理で出しているんだなと速足で読み通しましたが、それはそれで全く問題なかったと思います。
兎に角、人を選ぶ作品であることは間違いないと思います。合わない人はとことん合わないでしょうし、始め合うと思っても、考えていたものと違ったとかよくありそうな作品かと。これからも時折こういったニッチの作品に挑戦してくれるメーカーが生き残ってくれることを切に願います。