あと一歩
総合的に鑑みて十分に良作と言える完成度。
共通パートでは個々のキャラが味を出した掛け合いをしており、飽きずに楽しめる。
たまにくっだらないジョークとかも混じっているが、それもまた一つの味。満足です。
個別に関して各キャラ毎に大きく出来の差がある、というのが正直な感想。
個人的には天音>由美子>みちる>幸>薪菜という順。あくまで個人的には。
天音
シナリオに関して言えば今作では一番気合が入っていたように思う。
設定、展開、雄次へのアプローチなど色々な伏線が兼ねあっていい感じ。
ただそんな過去を持ちながら何でこんなビッチキャラに育ってしまったのかはとても謎。
一姫姉さんが唯一ちゃんと登場するルートということもあり、一番印象に残っている。
ただBADでないと一姫姉さんの残したモノがわからないというのはちょっと勿体ない。
由美子
何というか予想の範疇で事が運んだという印象。
しっかりまとまってはいるのだが、丁寧に風呂敷を広げ、そのまま丁寧に畳んだという印象。
父親に関して最後に和解しているというのはちょっと好みの展開ではなかった。
みちる
今作での一番の超展開といったイメージ。
ただ二重人格というわけではなく明確な別人の意識が宿ったまま共存するという道は果たして取れるのかどうか・・・。
中学時代に目の前で飛び降りをした親友の心臓を移植したのかと思っていたがそんなこともなかったため若干の拍子抜け。
幸
キャラとしては一番好きだがシナリオは何というか地味。
強迫観念に駆られていたとはいえここまで自分を殺せるものなのか。
根底から覆すためとはいえ、さすがに個人のためにあそこまで壮大な仕掛けを使えるかと言われると・・・。
最後の展開も鍵の受け取り方からしてご都合主義感が拭えない。
薪菜
キャラは一番立っていた。
しかし唐突に狙撃の才能が開花したかと思えば最後には後任ってどういうことなの・・・。
このエンドだけどちらも雄次が思いっきりひどいことになってて後味の悪さが残った。
まとめ
細々したところで気になる点は残るものの、大筋でしっかり作られておりやって損はないゲームだと思います。
各キャラごとに専用ED曲とムービーが用意されている点も◎。
ただ、市ヶ谷や赤坂、桜田門といった『組織』に関してもっと深く掘り下げたシナリオが欲しかった。それこそJBルート作ってその辺を加えて欲しいくらい。
あとは薪菜ルートで一姫らしき存在が確認されたが、彼女に関してももう少し何か欲しい。
FDというより続編やトゥルールートが欲しくなる作品でした。