夏を、ああいう幼稚なキャラでこそぼかし出した、そのけだるい暑さの透明感がたまらない。
主人公のひとりである往人を失って、最早エロゲの基本価値すら失って、それでも読めと人に言わしめる。
エロゲどころか、恋愛ゲームであることすら放置されてます。
後半僅かと言えど、それは実は、凄いことなんじゃないでしょうか。
二人ともがこの世界から消えて、けれど空の少女は救われた。悲しい悲しい千年の夢の孤独から開放された。
生まれ変わった少年は柳也であり、往人であって、少女は神奈であり、観鈴であるということ。
そう思うとき、あれこそが本当のハッピーエンドであったのかもしれないと、思えるのです。
往人が消えて、観鈴が死んで、カラスが空へ飛び上がって終わってしまっても良かった。
それでも今のような評価を、充分に受けられたのではないか。
けれどそこまで突き放すことなく、転生という救いを暗に提示することにより、
麻枝さんとkeyらしさを見ることができるんじゃないかと。
ここまでいいながら、ストーリーで一番好きなのは佳乃だったりするんですが。
こもりうたのシーンは、たまりません。
あんただって充分自分自身の幸せを探したっていいんだよと、聖に伝えたい。
誰かの幸せを自分の幸せだと思い続ける、そんな悲しい優しい人のままでいてほしくない。
最近PS2版で再びプレイしましたが、再確認しました。
最萌えキャラは、ポテトです（笑。ぴっこり。