短時間でも観る者の意識を攪拌させるような巧みな構成のフリーゲーム。いじめ、という題材を用いながらも加害―被害の安易な二項対立だけでは留まらない。独特なノリと軽妙なセリフで鋭利な切れ味のある作品だった。
まずタイトルが素晴らしい。道徳、ビデオ。
道徳、という清廉でいて厭らしい感触が伴う単語と、ビデオという下賤で野卑なカタカナの取り合わせ。そしてピンク髪と釣りあがった妙な笑顔がノイズのように歪むタイトル画面。惹き込まれる作品だった。譬え作り物だとしても、
……小学校のいじめが一番えげつないイメージある。小学校の授業とか授業じゃないからね、あれはお遊戯会。音楽体育図工とかの実技系以外は全部オートで5なんじゃないの。
あと道徳か。
道徳的とは言い難い作品だけれど、デリケートな話題の扱い方も良く、後味は悪くない作品です。
2人のお姉さんの切れ味ある台詞には唸らされました。
いつまで”過去”を引き摺ってんだよ!