単なる「ゲーム性のある美少女ゲーム」ではなく、シナリオとシステムが有機的に結びついた、真に現代的な美少女「ゲーム」。近年発売の美少女ゲームでも最高レベルの出来。夢中でプレイしました。
まず美点を大まかに述べる。戦闘（RPG要素）と分かりやすいシナリオが親和しており、どちらも飽きずに進められる。キャラの個性も幅広く、厭味なキャラがあまりいない。主人公たちのやってる行動は体制に対する叛逆であり、その手段が売春斡旋とテロ行為というのが如何にも美少女ゲームらしくて最高だった。主人公たちのクズ行動が、いっしょにわるいことをしよう、という間の抜けた（ように見える）副題や蛍光色を基調としたvividな色彩や奇抜なファッション、アップテンポで聞いているだけで楽しい各種戦闘bgmなどでそんなにえぐく見えないのがこの作品の凄いところだと思う。企業に支配された歪んだ都市を舞台にえぐいことをしながらも日々を好きに自由に楽しんで生きるナユタの面々には、このコンテンツがあふれかえる荒野めいた現代を生きる楽観さみたいなものを感じ取れ、時代性もあると思う。過褒ではなく正しく、「2020年代の美少女ゲ」ではなかろうか。
奇妙な中毒性があり大幅に時間を取られた本作だが、私が個人的に感じた欠点もいくつかある。批評めいた長文を書く元気がないので過剰に箇条書く。（ネタバレを含む）
・戦闘の難易度が跳ねあがる箇所があり苦戦する（東雲埠頭、アンエピック号×2、終盤）
・何人かヒロインの凌●がある（けっこう胸が悪い。敗北限定のイベントとかが良かった）
・終盤のシナリオが駆け足気味（主に23節以降。それまで比較的ゆっくりめだったのに）
・拉致ってきた人材に強制的に売春させるシステム自体がそこそこ胸糞悪い（仕方ないが）
・売春行為で壊れないように各種アイテムでステータス管理するのが面倒くさい（作業ゲ）
・売春や凌●という題材が過度に盛り込まれているため、雰囲気自体は暗い（だからこその話なのだが）
・ラスボスが強すぎる。というか面倒くさい（倒せていません。ギブアップ。攻略情報求）
こんなところでしょうか。昨年の暮れから始めてほぼ毎日ちょこちょこ進められるくらいには面白く、妙に（本当に妙に！）中毒性があるゲームシステムなため（多分、行動の自由度の加減や育成の楽しさがあるのだと思う）、現実逃避として最適でした。久しぶりに、「ゲーム」を遊んだかもしれません。ゲーム性のあるエロゲというより、これはもうゲーム。ゲーム性の塊と言っていい、大人の鑑賞に堪えうる熱量がこもったゲームでした。
2/7 追加（無事にクリアできました。評点88→92）
久しぶりにRPGでレベリングして何とか気合でクリア。バフを重ね掛けして必殺技的なので殴るのが一番いいですね。ふと思い出したのだけど、ドーナドーナの戦闘画面とか演出、FG〇に結構似ている気がする。ふよふよ動く立ち絵やモーションもそうだし、宝具演出？ 的なのも割と。レンジやドナドナ時の立ち回り、キャラ性能のバランス調整関連が凄い上手いなと感じた。折角だし各キャラの使用感とか書く。火力が高くて最初から最後まで強かったのがザッパと虎太郎、キラキラ。アンテナとメディコは全体攻撃＆全体回復で便利すぎるのでこの二人が落ちないように立ち回ってた。ポルノ、ジョーカー、アリスはすぐ堕ちる枠だけど育てればちゃんと強そう。菊千代さんは……加入時が一番強かったかもしれん。
Day.200でクリア。キラキラちゃんと同棲ENDでした。久々にゲームにな熱中できたから楽しかったー。