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minami373さんのTHE iDOLM@STER 2の長文感想

ユーザー
minami373
ゲーム
THE iDOLM@STER 2
ブランド
バンダイナムコエンターテインメント(バンダイナムコゲームス)
得点
61
参照数
71

一言コメント

(GiveUp) 虚無。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

 開始一時間半余りで挫折。結論から言うと、本作に対する私の評価は消して芳しいものではない。辛辣な評価に耐えうる人&プレイの参考にしたい方向け。

 登録するのか迷ったのだが、やはり、女の子と交流し、恋愛関係ではないにしろ疑似的な関係を築き、コミュニケーションを楽しむという点で、ギャルゲーの一種に分類されることは間違いないだろう。というか何故か10件以上登録されているので、少なくとも、場違いではないはずだ。

 以下は、アイドルマスターの「P」をすでに引退したものの戯言である。

 まず初めに困惑した。
 本作の演出というか、構成というか、とにかく作品の随所で強烈な違和感を覚える。

 事前情報として、本作では竜宮小町の面々と律子とは同事務所での対立関係にありプロデュース不可ということや、ジュピターの登場、また世界観に若干の不整合があることは把握していた。勿論、本作の評価が後続作と比較してあまり宜しくないことも。

 しかしそれでも、自分が最も好きなアニメの一つ、アニメ版アイドルマスター(通称、アニマス)がこのゲームの世界観設定を基に作られたということから、一応期待はしていた。が、アニメは本当によくできた成功作というか、良・改良だったのだなと実感した。

 まず、一番気にかかるのが、ある種のキャラゲーとしてキャラクターの言動が全体的に不安定・不可解なこと。一応はプレイヤーの分身のような存在であるPでさえもシュールというか、お前それはないだろ、みたいな行動に及んだりする。

 なかでも、伊織のイメージ崩壊が凄い。

 アニメから入った人なのであまり詳細には語れないが、伊織は高飛車でツンでわがままないかにもなお嬢様キャラなようでいて、その実仲間想いでリーダーシップや責任感のある、個人的には春香に次ぐぐらい、トップというかセンターに相応しい、先陣を切るアイドルである。

 で、その彼女が竜宮小町という敵対ユニットに組み込まれることで、どうしても同じ事務所が二つに割れているように思えてしまう。私が挫折したのも十週目の竜宮小町との対戦イベントで、けちょんけちょんにやられ、その後辛辣な言葉を律子からかけられ自メンバーが酷く落ち込むところだった。(RPGで言う、俗にいう強制敗け戦闘。ストレスがたまるので私は好きでない。というか好きな人の方が希少だと思う)同じ事務所で対立してどうする。

 だが、それは展開上の都合上仕方がないことだし、まあ、まだ許せる。かもしれない。

 最も気に障ったのは、全体的に険悪なこと……アイドル同士のいざこざ、揉める姿を見なければいけないこと。

 ユニット内で喧嘩が起きたり、ご機嫌を取らないとアイドルがすぐ不機嫌になったり……。 

 これマジで誰得だよと思った。

 雪歩が「おんなのこ同士の友情なんてあり合えないんですねぇ……」なんて言う姿を見たくはなかった。え? これ仕様か? と思わず脳内でアラート音が。現実のアイドルもこんな感じで、ユニット内で揉め捲っているのだろうけれども、そんな要素は2次元に、というかアイマスには求めていない。

 とにかくストレスフル。

 アイドルマスターにそこまでのシナリオ性やゲーム性を求めている人は少ないと思う。ゲーム性とかよりも、何よりもキャラだ。アイドルマスターは究極にキャラに特化したゲームだと私は考えている。だから、本作で見られたような軸のブレみたいなものは、到底許容できなかった。

 まあ、10年以上前のゲームを持ち出して今更文句をつけだすというのもおかしい。

 けれどやはり私は思う。これは違う。残念だ、と。

 気に食わなかった作品にだらだらと長文を書き連ねることに深い意味を見出すことはできない。そんな暇があるのならもっと他の楽しい作品を発掘するなりまたは欠点からどうすればより面白くなるかを考えるのが合理的だ。しかし本作においてはほぼ上位互換のアイドルマスターワンフォーオールという作品が存在し(ワンフォーオールは全員をプロデュース可能、アイドル同士の対立といったフラストレーションがたまる謎要素もない。)、だが、膨大なシリーズ作品の一部であることを鑑みれば、このような駄文を拵えているのも全くの無駄ではないかと思われる。後継シリーズやソシャゲから興味を持って手を伸ばす人もいるだろうから。(個人の意見)。

 ここまで読んでもらえばわかるだろうが必然的に評価は辛くせざるを得ない。

 72点を付けようかとも思ったが流石に悪ふざけが過ぎる。61点にした。

 アイドルマスターが好きだった。 

 でもそれはやはり、過去の想い出だ。

 だからアイドルマスター2というゲームを「アイマスだから」という理由で持ち上げることは残念ながらできない。

 しかしながら、僅か二時間足らずで挫折してなおこれだけ所感をかけているのだから、やはりある程度の感情は揺り動かされたのかもしれない。しかし当面P復帰の予定はない。

 端的に言ってしまえば、期待外れだった、というそれだけの事なのだけれど。