開始早々いきなりエロいですね。やっぱりエロがエロゲをプレイするモチベーションに繋がると再認識させてくれる作品です。やはりよく言われるように鳥羽莉が一番魅力的ですが涼月もなかなかいいですね。プレイしやすいボリュームも〇。個人的には最初に鳥羽莉ルートをプレイすることをオススメします。●絵(良い)●音楽(非常に良い)●シナリオ(良い)/ネタバレ度:中
●絵について
ほっぺたと顎が尖っているクセのある絵ですね。立ち絵は整っていて良い感じですが、一枚絵は頭と目が大きくかなりロリ化する印象です。個人的にはロリじゃないほうがいいんですが、そういうところに拘りのあるブランドなんでしょうね。このブランド名だけに。キャラデザは良いと思います。特に鳥羽莉、涼月、胡太郎が良いです。
●音楽について
久しぶりに印象に残ったBGMでした。サントラを入手してもいいかもしれません。ピアノやヴァイオリンだけではなく色々な楽器が使われているのがエロゲでは珍しいです。
「Red-reduction division-」:出だしのチェンバロ(生ではなくサンプリング?)が格好いいです。エロゲというよりも少女アニメのOPという感じですね。このお姉さんはかなりキーが高いですが、某きしめんソングのような電波にはなっていません。
「鳥羽莉のテーマ」:この曲が鳥羽莉のテーマなのは意外でした。ヴァイオリンの不協和音は鳥羽莉の内面ということでしょうね。
「千佐都のテーマ」:フルートが心地よい良曲です。
「涼月のテーマ」:ピアノが格好良いですね。曲だけ聞くと涼月がメインヒロインのようです。途中から入ってくるオーボエも渋いです。まるで映画音楽のような雰囲気で、格好良すぎてこの曲だけ浮いているかもしれないです。
「火乃香のテーマ」:お洒落なティータイムといった感じの曲ですね。途中のピアノの和音が印象的です。
「白銀邸」:どこかで聴いたような、という曲ですが、それだけに落ち着きますね。ヴァイオリンがいかにも「館物」な感じです。
「吸血鬼」:この曲を聴くと「月姫」を思い出します。やっぱり吸血鬼だとこんな感じ?
「孤独」:出だしはオルゴールではなく鉄琴ですかね?ピアノだけではなくわざわざアコーディオンを使うところがまた渋いですね。
「贖罪」:久石譲的な雰囲気のスケールの大きい良曲だと思います。この作品のメインテーマな感じでしょうか。
●シナリオについて
胡太郎は実の姉である鳥羽莉にいきなり襲われますが、胡太郎も満更ではなさそうな感じなのでそれほど背徳感は感じません。むしろ相思相愛ではないかと思うぐらいですが、胡太郎が「僕の事が好きだったの?」と聞いても鳥羽莉は「そんなわけ、ないじゃない」と完全否定します。
鳥羽莉ルートを一番始めにプレイしたのですが鳥羽莉の心理描写がほとんどないので(敢えてそうしたのでしょうが)何を考えているのかよくわからないですね。ただ、せせり以外のヒロインは鳥羽莉が胡太郎を好きなことを知っているので、他のヒロインを攻略すれば鳥羽莉に関する情報を得られます。つまり、鳥羽莉を一番最後に攻略すれば鳥羽莉の言動が理解しやすくなりますが、反面、胡太郎とのシンクロ率が落ちてしまいます。胡太郎とプレイヤーの情報格差が大きくなると感情移入しにくくなりそうな気がするので、最初に鳥羽莉ルートをプレイしたのは正解だったような気がします。他のヒロインを全部攻略した後で鳥羽莉ルートを再プレイするのが趣深いのではないでしょうか。
鳥羽莉ルートを再プレイすると、10月20日の選択肢が重い意味を持つことに気がつきますね。吸血鬼の片鱗を見せた鳥羽莉が「私が、怖い?」と胡太郎に聞きますが、初回プレイではここで「怖くないと言えば嘘になる」を選択するのが自然ではないでしょうか。鳥羽莉のことが好きだと自覚していないと「鳥羽莉だから怖くない」を選択しにくいと思います。
10月22日、自宅で劇の練習をした後、鳥羽莉が父さまと同じ色の胡太郎の髪を「私は好きよ」と言いますが、これは鳥羽莉の気持ちを知ったうえで再プレイしてみると鳥羽莉が胡太郎に告白したも同然のシーンなのですね。初回プレイではそこまで感じませんでした。
その後、鳥羽莉がイギリスに留学する話や鳥羽莉が胡太郎の血を吸ったことがきっかけでひと悶着あってお互いの気持ちが通じ合うわけですが、私はここで終わりにしたほうがよかったと思います。イギリスに留学した後、胡太郎と離れて不安になった鳥羽莉はまた胡太郎と距離を置いてしまいますが、その不安をどう克服したのかが全然書かれていません。分量も少ないですし取って付けたようなラストになっていると思います。
鳥羽莉以外のルートは基本的に肉体関係先行という感じですね。安直な感じはしますが読後感は悪くないです。ただ、火乃香は変化が突然すぎて違和感がありますし、胡太郎のことが嫌いなところからスタートする涼月は無理がある感じはします。
全キャラクリア後にプレイできる「月の箱庭」は何でもありのFD的な位置づけのシナリオですね。プレイしなくても特に支障はないと思います。
●声優さんの演技について(A~Eと+-の評価)
鳥羽莉・・・声が可愛いし演技も上手いです。もっと注目されてもいい声優さんだと思います。ただ、Hシーンは涼月には及ばないかな・・・。(B)
涼月・・・この人も上手いですが特筆すべきはHシーンですね。テキストに囚われすぎない自然な演技で私が考える理想の演技に近いです。このレベルの演技が出来る人は純愛系ではほとんどいないですね。このレベルならエロ動画に対抗できると思います。出演本数が少ないのが残念です。(A)
朱音・・・この人も声が可愛いし演技も上手いですね。Hシーンも上手いほうだと思います。(B)
千佐都・・・この人も声は可愛いし演技も悪くないのですがキャラのせいで印象に残らない感じでしょうか。Hシーンはイマイチですかね。(C)
せせり・・・演技は下手ではないと思いますがキャラのせいでウザく感じますね(^^;(C)
火乃香・・・これだけハスキーな声質の人は珍しいですが、これはハンデかもしれないですね。もっと演技が上手くならないとカバーできないような気がします。(C-)
●まとめ
攻略キャラ6人でHシーンが34回とかなり多めですね。鳥羽莉、涼月と朱音は十分使えると思います。加えて、テキストが読みやすくボリュームも適度でBGMも良いので久しぶりにプレイに身が入りました。この作品は手元に残しておこうと思います。サントラも買おうかな・・・。