オーソドックスなキャラデザだと思いますが何故かフィーナが可愛いですね。オーガストのヒロインの中で一番可愛いかもしれません。そんなフィーナの人物像を丹念に描写したシナリオも悪くないと思いますが、これ以上の点数は付けられない感じです。●絵(非常に良い)●音楽(良い)●シナリオ(良い)/ネタバレ度:中
●絵について
べっかんこう氏の絵は初めて見ますが、立ち絵では腰が細すぎると思います。やや後ろ向きの絵ではお尻が無い感じがします。ただ、キャラデザは非常に良いですね。画力で言えば「失われた未来を求めて」の深崎暮人氏の方が断然上でしょうが、そんなことはどうでもよくなるくらいフィーナが可愛いですね。見ているだけで満たされます。
●音楽について
歌:「Lapis Lazuli」・・・本職の人(?)にしてはたどたどしい歌い方のような気がします。アレンジに関してはドラムが頑張りすぎな反面、サビは音がスカスカに感じます。
「Eternal Destiny」・・・声が聞き苦しい部分がありますね。発声に問題があるような気がします。曲自体は良いと思います。
「WAX&WANE」・・・変則的で歌いづらそうな曲ですね。違和感がある部分もあり、あまり上手くいっていない気がします。
BGM:前に出ない系のBGMですが上品で優雅な感じで作品に合っていると思います。特にタイトル画面でかかる「Morning glory」が作品の象徴のような曲でとても良いですね。
●シナリオについて
・フィーネ(B+)
月の王女という設定は荒唐無稽ですが、その人物像は丁寧に描かれていて説得力があります。展開もよく考えられていて驚くほどまともですね。ただ、フィーネの父である国王が元一般人で、フィーネの婿選びがカレンに一任されているという設定はとても予定調和的な感じがしました。結婚へのハードルが下がるでしょうから。それに、Hシーンもやや期待外れでした。演技は悪くなかったと思いますが、キャラを考えてかそれほど乱れませんし一枚絵も太って見えたりアングルがイマイチだったりして盛り上がりに欠けた感があります。それでもシナリオ全体としては良い出来だったと思います。
・麻衣(C+)
ボリュームは少ないですが良い出来だったと思います。前のフィーネシナリオで人間関係が丁寧に描かれていたのが効果的でした。学校や家のリビングでのHシーンには冷や冷やしましたが(しかも中田氏とか)、それまで抑えていた感情が爆発したと考えれば仕方がないのかも。しかし麻衣はとてもエロ可愛い妹ですね。評判になるのも納得です。一枚絵も良かったですね。胸はCカップくらいですかね。決して小さくはないと思います。個人的には丁度良い大きさです(^^; フィーネとミアが連れ立って達哉を起こしに来たのは不自然な感じはしますが、一緒に寝ている二人を発見した時のフィーネの対応はとても思慮深いもので感心しました。達哉、麻衣、さやかの三人が仲直りした時には不覚にもうるうるしましたね。エロゲでは滅多に泣かないのですが(^^;
・菜月(C)
オーソドックスな幼馴染ものですが悪くなかったと思います。犬の墓がすぐに見つかってしまうのは都合が良すぎな感じはしますが、問題がすぐに解決しないと重い展開が長くなって作品全体の雰囲気を損なってしまうかもしれません。また、このシナリオでもHシーンは無理すぎな感じがします。菜月の部屋(左門と仁が在宅中)とか、日中の野外とか、店の閉店作業中とか・・・。これではHシーンに集中できないですね(^^;
・さやか(D)
こちらも途中まではよくある展開だったのですが、達哉が勤務時間中に博物館に押しかけて館長室でHしたのには正直退きました。さやかも拒否しないし、1回Hした途端に達哉にベッタリになってしまうのは違和感がありました。それまでに、さやかの方にそれらしい素振りが全然なかったのですが(^^;
・ミア(C-)
そもそも共通ルートで出番が少ないので無理がある感じがします。作品内の記述から察するに、おそらく年齢が12~3歳なのでそういう意味でも無理がある感じがします(^^; 王立博物館での一件については、あくまで地球人側の落ち度なので地球人側の責任者(さやか)が責任を取るのが当然で、フィーナがその提案を受け入れるのも当然だと思います。なので、ミアがフィーネに対して「(さやかに受けた)恩を仇で返すつもりですか」と非難したのはフィーネに落ち度がない以上、個人的には的外れに感じます。ミアが地球に残ったのも疑問です。ミアの役割を考えればフィーナと離れることは考えられません。達哉が月へ行くべきでしょう。フィーネの力があれば十分可能なはずです。
・リース(C-)
見た目は小学生の低学年な感じですね。そんな女の子との恋愛関係というのは違和感しかないです(^^; Hシーンは必要なかったのではないでしょうか。
・夜明け前より瑠璃色な
思った以上に良いシナリオだったと思います。遺跡調査を巡って揺れる達哉とフィーナの関係やフィーナと国王の対立で緊迫感があり話に引き込まれました。そんな緊迫した中で達哉もフィーナも成長し、互いに必要不可欠な存在になっていく過程がしっかり描かれていたと思います。
オーガストと言えば「超展開」で有名です(でした?)が、今作で言えば「軌道重力トランスポーター」がそれに該当するのでしょうか?個人的には、月に大量の物資や人を運ぶ必要があることを考えるとこういう類の装置がないと無理だと思いますが・・・。
あと、ラストは達哉とフィーナが地球を見るシーンで終わりの方が良かったのではないかと思います。せっかく「夜明け前より瑠璃色な」というタイトルなのですから。
●まとめ
奇しくも2作続けて全キャラクリア必須型の作品をプレイしたわけですが、クリアする気のないキャラのシナリオもプレイしなければならないとなると、どうしてもモチベーションが下がってしまいます。こういうプレイヤーには酷な形式もエロゲ衰退の一因なのではないでしょうか。
また、この作品は純愛系にしてはエロが濃いという評判でしたが、確かに回数は多いのですが質的には直前にプレイした「彼女たちの流儀」には及ばないと思います。特に感じたのはテキストの差ですかね。ひとことで言ってしまえばセンスの差なのかもしれませんが、「彼女たちの流儀」のほうが描写が生々しくて良かったと思うんですよね。
まあ、絵では「けよりな」が上、エロでは「かのぎ」が上でしょうか。全体的な印象では「かのぎ」は85点にしようか迷いましたが「けよりな」はそんなこともなく、という感じです。