おそらく対戦格闘ゲームが得意な人向け。自分で連撃(コンボ)が編み出せる人でないと楽しめないのではないでしょうか。シナリオは悪くありませんが、ヌルゲーマーにとって低くはないハードルを越えてまでプレイする価値があるかどうか・・・。実はヌルゲーマーでもなんとかなってしまうのですが、その手段に気づくと戦闘がつまらなくなってしまいます。●絵(良い)●音楽(良い)●シナリオ(良い:声優さんで加点)/ネタバレ度:大
●絵について
髪型はちょっと気になりますが、身体は上手いと思います。古い作品の割には立ち絵、一枚絵とも差分が多いのもいいですね。
●音楽について
歌:何度か聴いて慣れましたけど、メロディがイマイチのような気がします。
BGM:手堅い出来だと思います。古い作品のせいか懐かしい感じがしますね。「FF8」や「それ散る」を思い出しました。
●シナリオについて
構成は良く考えられていると思います。主人公が軍、VSSやテロリストと立場を変えるので周回プレイが苦になりにくく飽きさせない作りです。ただ、最後の2人(バチェラ→憐)が設定上主人公との絡みが少なく、感情移入が弱くなりがちなのは残念ですね。そのせいで、特に最後の憐ルートが思ったほど盛り上がらなかったように思います。個人的にロリはあまり好きじゃないので、それが2人続いたのもマイナスですね。
Hシーンは薄めですが、絵と声優さんの演技で使えるかもしれません。
●テキストについて
読みやすい部分もあるんですが、問題点も無視できないぐらいあります。
1.「てにをは」のミスが多い
ライター本人はミスだと思っていないのかもしれません。
2.重複した表現が多い
「俺が選んだ選択」とかやめてほしいですね。あと、一つの文で同じ主語を2回使うのもやめましょう。「俺は~で、俺は~だ。」とか。
3.語彙量が少なく表現がワンパターン
「胸が熱くなる」「胸が押しつぶされそう」「胸が痛む」等、とにかく感情表現が「胸が~」の一点張りです。また、ため息も不自然なほど多いですね。どのキャラも何かするたびにため息をついています。
●アクションについて
攻撃ボタンが3つに移動ボタンが5つ、という時点でヌルゲーマーの私は心が折れそうになりました(^^; 1周目(みのりルート)は全く訳がわからず、とにかくショートダッシュで敵の懐に突っ込んでボタン連打してました。最後のクーウォン戦では全く勝てる気がしなかったので不本意ながらもテロリストの仲間になりました。
2周目(彩音ルート)の対ゲンハ戦は5~6回、3周目(月菜ルート)の対彩音戦は20~30回リトライしてやっと勝ちましたが、その過程で楽勝パターンを発見しました。それは、ダッシュ(ノーマルダッシュ)で敵の攻撃を避けながら「多弾頭ミサイルポッド」です。おかげで4周目以降はゲンハだろうがバチェラだろうが楽勝になりました。リバイアサンもそれほど苦労することなく撃破できるでしょう(ただし、もちろんVERY EASYでの話)。「多弾頭ミサイルポッド」がない場合には「ダブルサブマシンガン」で代用するしかないと思いますが、威力が落ちる分難易度は上がります。
ただ、戦闘が楽になると当然緊張感が無くなるわけで、作業に近くなります。でも、接近戦では勝てる気がしないのでヌルゲーマーとしては止むを得ません。コンボを考えるのが面倒で、そこまでする気にならないんですよね。
●声優さんの演技について
リャン以外は上手い人が多いですね。エロゲの粋を超えているのではないでしょうか。女性陣ではケイラ、みのり、橘玲佳、バチェラが特に上手いと思います。いちいち調べてはいませんが表の人でしょうか。彩香もなかなか良かったですね。他の人のレビューで見なければこれが青山ゆかり女史とは気がつかなかったです。また、個人的にはこの作品で初めてまきいづみ女史の本気を見たような気がします。上手い声優さんだと確認できました。
男性陣では特にゲンハ、八木澤が良かったと思います。
●まとめ
アクションのハードルが高いとはいえ、久しぶりに全ルートクリアしたので良作と言っていいと思います。ただ、テキストはやや問題ありで、このライターの他の作品をプレイする気にはならないですね。途中にアクションが挟まっていたのが良かったのかもしれません。