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miltさんのガンナイトガールの長文感想

ユーザー
milt
ゲーム
ガンナイトガール
ブランド
CandySoft(きゃんでぃそふと)
得点
88
参照数
1324

一言コメント

不信、依存、不定。固執、嫉妬。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ましろ、志乃、恋歌ルートでは謎は謎のまま、環ルートでヒント、小夜子ルートで答え合わせ。
あくまで一つの答え合わせと考えてみる。
トゥルーエンドでもグランドフィナーレでもアポテオーズでもなく、絢斗が望む主人公になるための答え合わせ。


”絢斗「主人公になりたかったのかもなぁ」
夜刀『うん? なんの?』
絢斗「なんのっていうか、漠然とさ。すべての問題の中心にいて、それを解決したかったってこと。実際は、俺がいなくても世の中は回っていくのにな」
夜刀『私の中心は、絢斗だけど』”


小夜子の世界の中心は絢斗。レールガンをぶっ放してオーバードチルドレンNo.6を倒すのも絢斗なら、終幕のトリガー「プラグを引き抜く」のも絢斗。

しかし、現実ではすべての答えにたどり着くことなんてできない。
わからないことはわからないまま、あるいはわからなかったことさえ忘れて、いつの間にか別の道を歩んでいる。
たしかにましろや志乃、恋歌ルートでは、絢斗は主人公にはなれなかった。
それでも、そんなやりきれない現実の中でも、最後はそれぞれのハッピーエンドが描かれている。
だから、小夜子ルートを終えた今、ましろ、志乃、恋歌ルートが好きだ。

”ガンナイトガール”のメインは”ガンナイトガール”たちであってほしい。
そんな思いも無きにしもあらずとしても。


”絢斗「この世界の主人公って、誰なんだろうな」
志乃「なにそれ」
絢斗「素朴な疑問」
志乃「よくわかんないけど……少なくとも私たちじゃないと思う」
絢斗「現実って、やりきれないねぇ……」”