題材は面白かったのに
全キャラ攻略後に最終シナリオが開けるのですが、
学園物から一転し、主人公が本当にスパイだったという展開で始まります。
この発想は熱い展開として凄く良かったと思います。
が、まず作中で主人公はスパイ行為を行いません。
ただコードネームを持っていて、ギミックを所持しているだけです。
主人公の目的も曖昧です。スパイというか『休暇中のスパイ』が正しい表現でしょうか。
いやまあ、『ただの特殊訓練を受けた受動的な人』の方が的を射てると思いますが。
スパイ行為を行うために学園にいるわけではないので、「何でいるの君?」状態です。
スパイ映画や小説でお馴染みの潜入工作もしませんし、情報を得るための行動も描かれていません。
酷いのが説明不足。伏線も何もなくポンポンと新事実を叩き付けて来ますし、
目的、行動、団体、全て曖昧です。
最終シナリオが開ける前は主人公が本職のスパイだという伏線すら1度きり。
で、ここがややこしくなった原因だと思うのですが、
平行世界解釈まで物語に入れようとして完全に失敗しています。
説明不足の中に平行世界。あまり良い取り合わせじゃないでしょう。
さらに時系列もシフトが入るため、超展開というか、ポエム状態となり、読み手は置いて行かれます。
そして様々な説明をポエムで投げ散らかします。
発想を得たら作り込みましょうよ。色々な意味で残念でした。