良くも悪くもエンタメ性は高く、内容は良い。残念ながらゲームとしてはガタガタ。
ブランド処女作というだけあって、気合は感じる。
立ち絵のバリエーションの多さには驚き。サブキャラに至るまで服装差分や髪型差分が何パターンもある。
ただ気合入りすぎた結果リソースのかけ方がちぐはぐで、そこ注力するならここをなんとかしてくれよ……と思うことも多々。一瞬しか登場しない服装差分作るくらいなら全体的なグラフィックの監修を頑張ってほしかった。HCGは出来にムラがあるし絵によって主人公が体型も肌の色もバラバラで完全に別人。
布越しに触ると言いつつ絵は初めからモロ出し、可愛い下着をつけてきたという話をしてるのに絵はノーブラなど、テキストとの整合性が取れてないCGが多数。
一番の問題点はシステム……というかバグや不具合やミス。
誤字脱字誤変換文字化けボイス抜け読み違い立ち絵名前欄ウインドウSEBGM、挙句の果てにシナリオの順番までミス。一度でもプレイしたら気付くミスが初めから終わりまでまんべんなくギッチリ詰まっていて辟易。一体どういう制作現場だったんだ……?
せっかくシナリオの内容は良いのに、名前欄のミスでネタバレ、力作のキャラソンムービー中に日常BGM鳴りっぱなし、初夜と初デートのシーンの繋ぎが逆などもうめちゃくちゃ。
ありとあらゆるミスが全力でシナリオの足を引っ張ってくる。シナリオやキャラが良いだけに非常に残念。
一部ヒロインのEDスタッフロールで、おまけシナリオのCGをネタバレしてくるなど演出上の問題も。
未攻略のヒロインのおまけシナリオについて、EXTRAからサムネ・タイトルが見えてしまい攻略前からある程度内容が予測出来てしまうのもネタバレ感が強くて嫌だった。おまけルートにて攻略出来るヒロインのHシーン回想枠なども同様。
バカゲーを期待してプレイすると、意外と真面目な内容でびっくりする。
日常シーンはギャグの掛け合いが楽しく、個別は全体的にありがちかつ小粒な話ながらも王道な作りで、それぞれ身の丈に合ったまとめ方で好印象。
一部七ノ羽の父とかカスミ先輩とか、若干ヘイト管理失敗してないか……?とか西ナントカ先生とは一体……?とか気になる点もありつつ、全体的にはサブもしっかりキャラが立っていて面白いし話にもしっかり絡んでくれて嬉しい。千明先生とか好きだなあ。
みことはおまけルートなんて言わずしっかり作ってほしかった。短いながらも、OPの「願い、みんなが未来に進んでいくこと」が感じられて好きなキャラなので。
幼馴染たちの個別ルートの中で、さり気なく存在を示唆される描写はすごく効果的に思った。絶対トゥルールートのヒロインの扱いだってこれ。パケのど真ん中のヒロインがおまけ扱いはヒドイと思いますよ!
数少ないCGもクオリティーが低くて不遇だし、夢でのギャップも性癖も取ってつけたようで適当。悲しい。
Hシーンについて、全体的に妙に唐突に始まるのがシチュエーション的にも無理やり感があり、かなり気になった。由衣ラストシーンのブレハブの外にみことを待たせての突然のHや、時雨や七ノ羽でのその辺の茂みの中(?)など。
モモケンは個人的にベストオブ悪友キャラ。いいヤツすぎる。初めから主人公の秘密を知ってるし一番の理解者だし愛してるって言い合う仲だしいつも俺の部屋にいるし誰よりも俺を笑顔にしてくれるし、こいつメインヒロインでは? 最後の隠しルートは絶対モモケンルートが良かったって。
あと時雨がとにかくバカ可愛い。めっちゃ可愛い。夢でのギャップの見せ方が最高。主人公とのキャラ同士の掛け合いや相性も良く、付き合うまでの過程で存分にニヤニヤさせられた。
Hシーンが結構攻めた内容で、キャラのコンセプト通りおしっこが豊富で頑張っていたと思う。
おまけシナリオはいやまた便利なご都合茂みに頼って!おもらししろよ!とモヤモヤしたが、貴重な口内放尿フェラなどにはいたく感謝した。
CVの仕事ぶりはメインヒロインからサブの男性キャラまで全員素晴らしく、文句なし。
良いところと悪いところが混在しすぎてて語り尽くせない困った作品。
ただ、0円でプレイ出来る作品としては間違いなく破格の出来。
好きなゲームではあるし、ゲームとしてのミスや不具合がなければもっと評価したかった。